【新交通 桃花台線】の撤去を見に行く。わずか15年で終わった『ピーチライナー』と美しいループ線は今?【愛知県小牧市】
『新交通 桃花台とうかだい線』とは小牧駅(愛知県)から桃花台ニュータウンを結んだ路線でしたが、赤字を理由に2006年廃線となりました。1991年の営業開始からわずか15年で運行を終えたとても短命な路線でした。そして、あの巨大で立派な高架線は今いったいどうなっているのか?撤去も現在始まっているということで、散歩がてら見に行ってきました。
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Svetlov Artem - 投稿者自身による作品, CC 表示 4.0, link
始発駅は「小牧駅」ですが、この日は次の「小牧原こまきはら駅」から見ていきます。
【小牧原駅】(奥は並走する名鉄線)
ググッと持ち上がり、右の名鉄線の上を越えて行きます(かっこいい)。路線は7.4km、駅は7駅ありました(ここから6kmほどを歩いてみます)。
『ピーチライナー』とは、公募から選ばれた愛称でした。終着が桃花台ニュータウンだったので車両も「桃」をイメージした、ピンクと緑ラインの可愛い塗装でした。
ピーチバスは15分に1本はあり、とても便利な感じです。しかし、桃花台に新居を買った人はさぞかし驚いたのではないかと思うのです。愛知県・小牧市などが計画・出資したこの立派な路線。「電車があるのは何かと安心」と思っていたら、まさかの廃線となるわけですから‥。
もう永遠に電車が来ることはない
解体は実は2015年から始まっているそうで、その割には進んでいません。当初、愛知県は莫大な費用がかかることから、解体をしない予定でした。しかし2015年、解体することに方針を転じ、15年計画・総工費100億円で進めているのだそうです(ちなみに建設費用は300億円越えでした)。
「桃花台ニュータウン」は、愛知県では高蔵寺こうぞうじニュータウン*1に次ぐ造成地でした。当初の計画人口は5.4万人でしたが予定通りの人口とはならず、現在は約2.2万人の人が住んでいます(2019年時)。
かっては池を周って通勤客を運んでいた
この桃花台センター駅は、中心地となるよう商業施設などが整備された駅でした。
(この辺りの「ピーチライナー」は地下に潜っています)。
高台に建つループ線がかっこいいです。まだ残っていました!「ピーチライナー」は右側にしかドアがないという変わった車両で、このループ線を使って折り返し運転をしていました。
【桃花台東駅】は現在撤去工事中(ホーム上の覆い部分がもうありません)
最後に
桃花台線の廃線からすでに15年。撤去しないのか?撤去したのか?とても疑問でした。そもそも、「桃花台」に住む人用の路線だったので愛知県民でもよく知らないし、乗ったことが無い人も多かったのではないか?と思います。
‥という私も過去に1度乗っただけ。高架のため見晴らしが良く、乗客も全然いなかったので気楽に乗っていた覚えがあります(その乗降客の無さが万年赤字だったわけですが、まさかその時は廃線になるとは思いもしませんでした)。
改めて歩いてみて、とても立派な路線だったんだな、という感慨を強くしました。
(軌道を上から確認できるところは「桃花台センター駅」近辺で、終着駅「桃花台東駅」などから撤去が始まっています。始発駅の「小牧駅」側も撤去作業が始まっているということで、見れるうちに見に行こうと思っています)
‥ということで、「【新交通 桃花台線】の撤去を見に行く。わずか15年で終わった『ピーチライナー』と美しいループ線は今?」でした。以上です、ではまた!
*1:1968年入居開始。計画人口8.1万人。現在人口4.2万人(2018年)。