物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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(おもに)物欲ぶつよくの記

【仏教グッズ】①王朝風の図柄の『散華』 ②チベット仏教の塗り絵『癒しの塗り絵 美しい密教の仏とマンダラ』扶桑社

今回は、仏教の綺麗なグッズ2つを紹介したいと思います。1つは、蓮のはなびらの形をした散華さんげ」で、もう1つは『美しい密教の仏とマンダラ』という仏様と曼荼羅の塗り絵です。仏教に興味の無い人も綺麗なものなので、見て楽しんでもらえたら、と思います。

【仏教グッズ①】蓮の花びらを模した「散華」 

 

先日、ネットで「散華」が売られていることに気がつきました。そんなものまで‥、と驚いたのですが、いくつかの商品があり、どれもカラフルな絵がプリントされて、なかなか綺麗でした。試しに取り寄せてみると、

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届いた「散華」

本当は数枚で良かったのですが、100枚あります!値段はお店によって違いますが、900円ほど。紙は、少し厚めの厚紙です(サイズ:縦8.6cm、横7.2cm)。

建物の上から散布する場合には、軽い方がよく飛ぶので、もっと薄く作ったりと、工夫があるようです。

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味のある絵

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柄は5種類。地は金と銀。

上から、鳳凰多宝塔天女金・銀地に、極楽浄土な図柄が素敵です。

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雅楽火焔太鼓と、童子が舞う胡蝶の舞」の図柄

王朝風の素敵な図柄に大満足なのですが、問題は使い道です。100枚もどうしよう、です。

額に入れて飾る本のしおりにするのほか、私は裏にテプラで、好きな言葉を貼ろうかと考えています。

実際、100均のトランプの裏にテプラで貼っている。

また、実際の法要でまかれたものを頂いた場合は、ご利益のあるものなので、お守りにするのがおすすめのようです。

この後、紹介する奈良の「美術散華保存会散華の楽しみ方】に、散華の活用法が載っていて、そちらも参考になります。

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裏面はシンプル

 

『散華』とは

 

散華さんげは、蓮の花びらの形をした紙で、1枚1枚に美しい絵が描かれ、仏事に使うものです。散華をまく目的は「仏様を供養する」ためで、昔は生花を使ったそうですが、痛みやすさ・集めにくさなどから、紙が代用されるになったのだそうです。

 

紙吹雪のように散華が乱舞する、そうした実際の法要の様子を見たことはないのですが、奈良・京都などの古いお寺で、お守りなどとともに授与されているのを見ることがあります。

最初に入手したのは、唐招提寺であった気がするのですが、今見ると情報がなく、どんな図柄だったのかも探せませんでした。

そして、「散華」を調べるうちに気がついたのが、奈良の「美術散華保存会のホームページでした。

sange-npo.jp

散華保存会は、散華を収集し、散華の情報を発信しているサイトで、Q&Aや散華のコレクションの写真など、とても参考になるサイトでした。

そしてここで、奈良のお寺で散華を見かける理由も分かりました。日本画壇の大家たちが、お寺とつながりがあったこと(寺院の壁画修復などを協力をしたり)。修復や落慶法要で、こうした画家による散華が撒かれたこと、だと。

確かに!奈良の散華には、日本画風の、いぶし銀のような、本気の図柄が多い、と思っていました。日本画家とご縁があったのですね。

 

【仏教グッズ②】『癒しの塗り絵 美しい密教の仏とマンダラ』扶桑社2006

 

さて、こちらは、仏様と曼荼羅を塗るぬり絵です。

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『癒しの塗り絵 美しい密教の仏とマンダラ

綺麗な仏画に興味があるのですが、何冊か見た「仏画ぬり絵」の中で、1番きれいなものでした。

仏画集になると高いけれど、ぬり絵なので905円というお値段です。アマゾンでは、510円で売られていました)。

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引用:『癒しの塗り絵 美しい密教の仏とマンダラ』12p お手本のページ

この仏さまたちは、チベット仏教の絵師によるものということで、日本の仏様と雰囲気が違います。官能的で、ぐっとカラフルです。

最初数ページに、仏教の歴史と仏画の塗り方の説明があり、10の仏*1 と2人の聖者、3つの曼荼羅のお手本のページあり、あとは塗り絵という構成です。

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塗り絵のページ 曼荼羅

説明を読んで分かったのは、チベット仏教の仏さまの容姿・色・持ち物には厳格なルールがあり、その色に近い色(お手本)を塗るのが望ましい、ということでした。

好きな色で塗ればいい、と思っていたのですが、塗るうちにそうしたルールが分かるのも良いのかもしれません。

 

例えば、日本では、薬師如来には色のイメージはありません。

が、チベット仏教では、薬師如来が東方の瑠璃光るりこう浄土に住んで、朝や日の出を象徴することから、東の空色をイメージした瑠璃るりにその体を塗り、表現するのだそうです。

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引用:『癒しの塗り絵 美しい密教の仏とマンダラ』17p 薬師如来

最初は、青色の体が何だか怖く思えたが、空の色ということが分れば、少し落ち着いて鑑賞できます。

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るり色  Didier Descouens , CC 表示-継承 4.0, Link

また、対になる西方の阿弥陀如来は、日没の赤で表すのだそうです。
 

最後に(仏教はとっつきづらいところがあるけれど)

 

仏教に関して、お寺巡りをしたり、何十年と見ている割には疎いなぁ、と思います。

それは、経典や理論が難しかったり、説法くさかったりと、どうもとっつきにくいからだと思います。こうした末端のものから、仏教の1部分づつ知っていくやり方の方が、自分には気軽で合っているのかもしれない、という気づきもありました。

‥ということで、今回は気になって手に入れた仏教グッズ2つを紹介しました。以上、『散華と癒しの塗り絵 美しい密教の仏とマンダラ』でした!ではまた。

*1:釈迦、千手観音、文殊菩薩観音菩薩薬師如来阿弥陀如来など