【聴き比べ】「耳鳴り・聴力改善CDって、本当に効果はあるのか?」①『難聴 聞こえがクリアになるCDブック』②『1分で聞こえが変わる 耳トレ!CD』③『水の音CDブック』
耳鳴り・難聴で、人知れず悩んでいる方は多いかと思います。そうした方向けの、聴力・耳鳴り改善CDを書店などで目にすることがあります。しかし、実際どうなの?効果はあるの?という、実際に使った感想、効果、内容の違いなどを紹介してみたい、と思います。
- ①こんな方に(参考に自分の症例を上げました)
- ②聞こえが改善する理屈
- ③聴くのにおススメの音
- 【CD①】『難聴 聞こえがクリアになるCDブック』(H23年)
- 【CD②】『1分で「聞こえ」が変わる 耳トレ!』(2017)
- 【CD③】『耳鳴り・聞こえにくさ 1日20分聴くだけでよくなる 水の音CDブック』(2020)
- 聴いてみた結果・効果など
①こんな方に(参考に自分の症例を上げました)
私自身の聴力の状態を書きますので、使ってみたい方は参考にして下さい。
◯耳鳴りあり(キーンという音)
◯高音障害型(4000-8000HZが特に聞き取れない)
◯電子音、小さな声、騒音のある場所での音の聞き取りは難しい。
◯内耳に問題があるタイプ。*1
②聞こえが改善する理屈
突発性、騒音性、加齢など、内耳の神経細胞が傷つき、死んでしまった場合、治すことは出来ない、というのは有名な話。
だったら、CDなど聞いても無駄じゃないの?と思うのも、ごくふつうのことです。
とはいえ、ワラにもすがりたい気持ちだって当然ある。人間ですから。
昔、一読しただけのこれらの本をもう1度読んで、どのような理屈なのかを再確認してみます。
◯死んだ細胞はもうもとには戻らないが、人間の聴覚の神経線維は約3万本。実際に使われているのは、そのほんの1部という。
(人間の脳のように、ふだん使われてない細胞があるかもしれない?)
◯内耳で、空気の振動を電気信号に変えた後、信号は、脳幹から大脳(の聴皮質)へと伝わり、音の処理がされます。
内耳だけで音を聞くわけではなく、外耳・中耳・内耳、脳幹、聴ちょう神経、大脳・聴皮質ちょうひしつなど、脳の様々な部分が関わり、連携プレーで音を理解している。
‥ということは、
(他の部位を鍛えることで(特に脳幹)、音の明瞭度を上げられる可能性がある?)
‥本の内容を読んで思ったのは、私は今まで、余計な音を極力聞かないように生活していました。*2 でも、必要最低限しか音を聞かない生活は、音を聞く能力を低下させていたのかもしれません。
歩かなければ、歩けなくなるように、体の使わない機能は退行する、というのをやっと思いだしたのです。
そして、聴力を温存していたつもりなのに、最近の聴力検査の結果は、ドンと下げていました。
‥それならば、耳に負担にならない程度に、聴覚CDを聞いてみよう、と思ったわけです。
③聴くのにおススメの音
難聴・耳鳴りCDにも収録されていますが、
◯自然音(小鳥のさえずり、川のせせらぎ、雨音など。)*3
CDと限らず、本物の自然音を聞きに、散歩に行くのもおすすめです。水の音、小鳥の声を探しに、川べりを散歩するのもアリ。
◯耳鼻咽喉科の先生などによって、音作りがしっかりと監修されているもの。脳への刺激を考えて作られているもの。
‥ということで、聴力・耳鳴り改善の「CDをブック」を3冊あげて、それぞれを見ていきます。
【CD①】『難聴 聞こえがクリアになるCDブック』(H23年)
著者:坂田英明(目白大学言語聴覚学科教授)、小山悟(耳鼻咽喉科院長)
出版:マキノ出版 価格:1429円+税
収録時間:20分ほど 音量:すこし大きめが推奨(大きすぎると今度は耳を傷める)
環境:ヘッドホン、イヤホン推奨
3冊の中で、1番の良書。難聴についての解説も最も詳しい。また、難聴患者に対する真摯なエールも感じられ、諦めないでやってみよう!という前向きな気持ちにさせてくれる1冊。
最初、CDを聞いた時は、「何だコレ?」状態でしたが、聞きこむうちに、色々な工夫が施されているのに気づきます。背後に回り込む音。左右に移動する音。3つの単語を同時に聞かせて、聞き取らせたり、どんどん速度の上がる速読など。*4 意表を突く音や、昭和の懐かしい音でリラックスさせたり、脳を刺激させる音造りがされている。
とはいえ、3日も聞けば、どうしても飽きてくるので、他のCDを聴いたり、youtubeで小鳥の鳴き声でも拾って聞いたり、飽きないようにローテーションするのがおすすめ。
【CD②】『1分で「聞こえ」が変わる 耳トレ!』(2017)
著:小松正史(工学博士) 監修:白澤卓二(医学博士)
出版:ヤマハミュージックエンターテイメントホールディングス 価格:1500円+税
収録時間:50分ほど 音量:普通の音量で 環境:ヘッドホン、イヤホン推奨
この『1分で◯◯』という本の類い、「そんなわけないだろ!」とツッコミながらも、思わず手に取ってしまう人も多いのでは?
『耳トレ!』は、耳のトレーニングをすることで、認知機能を向上させよう、という目的の本。実は難聴になると、認知症になるリスクが上がる、といわれています。
認知症が先か難聴が先か分からないけれど、音に対する興味が薄まると、聴力も衰えてしまうのだとか。
耳は使わなければ衰える。だから、耳に心地いい刺激を与えて、脳を活性化しよう、という目的のもと、たくさんの音が用意されたCDブックとなっています。*5
【CD③】『耳鳴り・聞こえにくさ 1日20分聴くだけでよくなる 水の音CDブック』(2020)
解説:和合治久(埼玉医科大学短期大学名誉教授、理学博士)、傳田文夫(音楽家)、北西剛(耳鼻咽喉科院長) 出版:わかさ出版 価格:990円+税
収録時間:70分ほど 音量:やや小さめ推奨 環境:ヘッドホン、イヤホン推奨
水の音なんて、youtubeでいくらでも‥と思ったけれど、CDブックとして作られたものを聞いてみたいと思い、購入。
耳鳴りも難聴と同じく、根本的に治るものではないので、耳鳴りの音が気にならなくなるなど、耳鳴りの軽減を目的としたCDブック。
本のペラペラさ(50p)に驚きつつも読んでみると、自然音やクラシックなどに含まれる高周波の音には、リラックス効果、血行・自律神経改善の効果があり、そうした音を聞くことで、耳鳴りの改善につながるとのこと。
そのため、良質な自然音を採集するべく、全国各地に赴き、その中でも厳選された「天城のせせらぎ」「裏磐梯の湿地の流れと鳥の声」「富士山麓の雨音」「バラス島*6の静かな波音」を各17分収録。
収録時の苦労話なども載せられていて、聞いてみると(ただの水音では‥。しかも、何だかチョロチョロ渋い水の音だな)とか思うのだけど、高音質が分からないのは、やはり私の耳が悪いせいなのかもしれない‥。
また、17分は少し長く、5分、10分程度に区切ったり、収録本数を4本だけでなく、もっと増やして欲しい、とも思ったり‥。
聴いてみた結果・効果など
こうした意図された音を聞いて、どうだったか?というと、
改善がありました!
以前の、まるで水中にいるみたいな聞こえから、音がクリアーになったのです。*7
自分の体感だけでなく、客観的事実としてはどうだったかというと‥、
私はここ最近、聴力が下がり、通院もしていたのですが、その間、毎日、CDを聞き続けた結果、12日後の聴力検査で、左の2000HZ~4000HZが、5~15㏈改善していました。*8 ちなみに、15㏈も違うと、聞こえ方はかなり違うものです。
聴き方としては、毎日、朝夕10分ほど、ヘッドホンで聞いていました。耳への圧があって調子の悪い日もあり、そうした日は聞くのを止めていました。
そうして、聞いてるうちに、「何だこれ?」だった音や、速読(2.5倍速)なども聞き取れるようになり、聞き取りに対する自信が前より湧いてきました。
今まで、ぼんやり聞いていたけれど、きちんと集中して聴くことで、音が以前よりクリアーになってきたのです。
だから、聴力検査も(たぶん、前よりいい数字が出るだろう)という自信があった。
結局のところ、「治らないよ」と思わず、(治る可能性だって、0ではないかも)と信じてやる、前向きな気持ちが大事なのではないかな、と考えています。
健康な人に比べたら、0を1にしようとする悲しい努力かもしれませんが、このまま何もしなければ、さらに聴力の低下が待ち構えている、そんな予感はあります。
‥というわけで、難聴に悩まれている方は、「CDブック」を試してみるのもいいかもしれません!(ただし、絶対に無理しないことが必須。)
‥ということで、以上、『耳鳴り・聴力改善CDって、本当に効果はあるのか?』でした。ではまた!
耳鳴り対策に、お医者さんからは、「ホワイトノイズ」を薦められたので、下に貼っておきます。
以下のブログでは、耳を暖めるグッズ(耳の血流をよくするために)について書いています。
*1:リオンを使った検査、ABR検査、MRIや血液の免疫反応など、病院で色々調べた結果。
*2:使えば使うほど、損耗していくイメージしかなかった。
*3:小鳥のさえずり、水の音などの高周波音は、脳幹を刺激するという。また、高周波の音が、内耳の血行・リンパの流れを改善する、という話がある。『水の音CDブック』P12
*4:普通~3倍速。
*5:自然音、ピアノの音。風鈴の音、舞子さんのこっぽり、踏切の音などの生活音。
*7:聴覚CDだけでなく、生活の改善(食事・睡眠)、服薬、耳を暖める、といった他のこともしていたので、そうした効果もおそらくある。
*8:右耳の記録が無いのは、言われなかったので、右の聴力検査をしなかったから。しとくべきだった!