物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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(おもに)物欲ぶつよくの記

半日、土岐川をさかのぼる石探し。まぼろしの土岐石を見つけることはできたのだろうか?(岐阜県土岐市・瑞浪市)

先日、半日がかりで土岐川ときがわを歩き、石を探しに行ってきました。

土岐川で採れる土岐石を拾いたい!というのが昨年からの願望ですが、果たして土岐石ときいしやそのほか面白いものは拾えたのでしょうか?

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土岐石(碧玉化した木の化石。緑・黄・赤などの色がある)
写真引用:松浦有成『水石入門マニュアル』94pより

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①真っ暗で探せないよ!凍ってるよ!

 

今回は、JR土岐市駅で下車し、隣の瑞浪みずな駅をめざします。その距離8kmほど。

しかしこの時期、朝6時過ぎの駅前・川は真っ暗!少しづつ薄明がさしてきたとはいえ、暗すぎてまるで石が見えず、歩いてる人も私以外にはいないという(不審すぎ!)

仕方なく川の上流方向へ歩きつつ、明るくなるのを待ちます。

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少し明けてきたがまだうす暗い 石の色がわかりづらい(土岐市

しかも川原に降りて気づいたのですが、この時期の朝の川は(場所によっては)凍り、川そばの石は氷がついてまっ白。これじゃぁ何の石か分からないよ!

でも凍てついた石を見ることあの固い石が割れたり、小さくなっていく理由がすごくよく分かりました。

日中、この氷は解けて乾燥し、そして夜また凍ると。これを延々を繰り返せば、石すら割れるなーと。

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拾える川原はそんなに多くはない

そして、土岐川にかかる橋がいくつもあるわけですが、橋に出くわす度、その下に降りれるかどうかチェック。

しかし、護岸工事中や全然降りられないところも多く、ガッカリしながらも石を探して川をさかのぼります。

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気になる火成岩をパシャリ 斑レイ岩らしい(瑞浪市

ということで、うつむいてひたすら石を探すこと数時間、やがて瑞浪市に入りました。

と書くとあっという間ですが、この日歩いた距離はトータルで18km。橋の下に降りたり、河原を行ったりきたり、小刻みに歩き距離を稼いでいます。

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川から浮かんでみえる白い石は泥岩だとか(瑞浪市

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化石の取れる野外学習地 瑞浪市化石博物館の許可が必要な場所(瑞浪市

 

②集めた石

 

というわけで、ここまで集めてきた石の中に果たして土岐石はあったのか?ですが、このような感じになりました。

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集めた石

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貝の化石 青部分に巻貝の跡が見える

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土岐石ぽい石

さて、採集したその足で、瑞浪市にある瑞浪市化石博物館を訪ねました。

 

③鑑定の結果

 

この瑞浪市化石博物館は、デスモスチルス*1など大型の哺乳類の化石を展示していることで有名で、また太古、この辺りが湖だったことから貝・魚・植物の化石などを多く所蔵する博物館です。

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瑞浪市化石博物館 Tktj , CC 表示-継承 3.0, Link

川原の石を見て欲しいと伝えると、「鑑定ですね。先生ー!」と奥から先生を呼んでもらえ、その慣れた様子にホッとしました。

(けっこう化石の持ち込みがあるのかな)

ということで、先生に石の鑑定をしてもらいました。

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斑レイ岩

上の石は斑レイ岩とのこと。そもそも斑レイ岩と閃緑岩の見分けが私には難しく、斑レイ岩と言い切ってもらえ、これがそうなのかーとちょっと感動。

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流紋岩

こちらは流紋岩りゅうもんがん流紋岩は色んな見た目があることに驚かされる石ですが、これは石に流れ(流紋)があり、少しキラキラとして分かりやすいタイプだったようです。

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チャート

上のもの2つはチャートで、特に上は層ずれした珍しいもの。こんなのを拾えたの初めてで嬉しかった。

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これは?

鑑定後に拾ったため、正体が分からずいまだに悩む石も。

上は、長石(ピンク色だからカリ長石?)の粒が異様に大きく、土岐川では結構みた石なのですが何になるのかな?

さて最後に、土岐石みたいと思って拾った赤いボコボコ石は「チャート!」と言下に答えられてしまいました(あぁ)

穴があること。ボコボコとした感じ、水につけた時の色味の綺麗さ。これはもしかして可能性がある?と思ったのですが、だめだったか。

チャートと土岐石は色・見ためがかぶる所があり、紛らわしすぎィ!と思ったり

 

④まとめ

 

土岐川土岐市駅瑞浪駅間)を遡り、思ったことは、

土岐市ではチャートが多いが、瑞浪に行くと火成岩が多くなり、化石も混じり、石の種類が豊かに。わずか数kmしか離れていないのに拾える石に違いがあることに驚いた。

◯探している珪化木(土岐石)については、瑞浪では採れるものは単純に木の化石の白いタイプのもので、色の付いた錦珪化木は出ないとの話。

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珪化木(白いもの) 引用:南無観自在, CC 表示-継承 3.0, Link

◯また、地元の方からは「昔は川で珍しい石(つぼ石など)が拾えたが今は難しくなっている。その辺で水晶の鉱脈を見つけたり、珍しい赤い石が出て東京へ持って行ったこともあった」というお話を聞くことができました。

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天然記念物の壺石 さかおり , CC 表示-継承 4.0, Link

こうした話を聞くとその石が欲しいなら、川原での探石は効率が悪く、供給源の山で探すべきなんだろうなとは思うのですが、しかしそれはレベルが高すぎる。

 

最後に

 

というわけで、残念ながら、土岐石を拾うことはできませんでした。別の日、支流を半日歩いたのですが、同様の結果でした。

というように土岐石を拾うことはとても難しいのですが、一生に1度拾えたらいいかな?くらいの気持ちでこれからも探し続けようと思っています。今回土岐石かも?と思って拾った土岐石モドキは、本物が見つかるまで私の部屋のドアストッパーとなっています。

最後になりましたが、教えて頂いた瑞浪市化石博物館の先生や職員さんに感謝をしつつ、『土岐川をさかのぼる石探し』でした!以上です、ではまた!

*1:ゾウ、ジュゴンの仲間。