先日、名古屋港にでかけた際、名古屋港の汚さを再確認してきました。
日本の有名な港湾(横浜、呉、佐世保、舞鶴、釜石、横須賀、下田‥)をみてきた結果、名古屋港が1番汚いのでは?とずっーと思っていました。
でも実際のところ、どうなのでしょうか?
思い出(?)の「金鯱号」
名古屋港には、かって「金鯱きんこ号」という尾っぽをあげた金しゃちスタイルの超絶バランスの悪い遊覧船がありました。*1
このあくの強い「金鯱船」乗ってみたさに、名古屋港遊覧に乗船したことがあります。
そして、その金シャチ船から見える海の汚さに「トンデモ驚いた」ことを覚えています。航跡に浮かんでは消える茶色の泡(しぶきすら危険そう‥)。
外海まで行かず景色も見えず、名港トリトン(橋)の手前で折り返す、閉塞感いっぱいの遊覧ルート。まったくなにも見えません!
海というより「茶色のプール」に悲しくなり、あれ以来2度と名古屋港遊覧はしていません。
それから何回か名古屋港を訪れましたが、海がきれいになった印象は一向なく、近年報道された「お台場」の水の方がまだきれい(?)な気がしたものです。
どこかにないかな?「汚い港ランキング」
私の仮説(名古屋港が1番汚い?)を証明するためには、「港の水質調査のランキング表」を探せばいいんじゃないのかな?と考え、探したのですが、出てくるのは「全国海水浴場汚い水質ランキング」や「河川の水質ランキング」 などでした。
取水をする「河川」や、遊びに行く「海水浴場」の方がみんな気になるし、記事でも特集するのです(「港」はみんな興味ない?)。
「港」個々のデータはあるが見づらすぎる!
「港の総合ランキング」は見つかりませんでしたが、「港」個々にしぼって探せば、水質の情報は出てきます。例えば、名古屋港の水質はこんな具合。
名古屋港N-1地点の水質データ(引用:『名古屋港管理組合』のサイトより)
「‥わかりづらい!健康診断の数値?」
一般の人間にも分かるように、健康診断みたいに「総合判定」でもつけてくれたらいいのに!
水質データは公開されているから、日本の各港の情報を全部自分で集めて、環境項目ごとのランキング。さらにそこから「総合ランキング」を作ったらいいのでしょう。
「しーん!(それは大変‥)」
(先ほどあげた「河川」や「海水浴場ランキング」も、環境省などの公開データもとに雑誌の編集部が作っているのですから。)
「うーん!(無理かも‥)」
ちなみに、「名古屋港管理組合」のサイトでは、「名古屋港の港湾区域内では、日常生活において不快感を感じない程度の水質が保たれています」(2018)との言葉を選んだ表現でした。
名古屋港は、不快感すれすれのラインは厳守?されているようです。
Emran Kassim / Link
下水場があるのに、なぜ海は汚れるのか?
1つ疑問だったのですが、「下水処理場」があるのになぜ海は汚れるのでしょう?
生活排水は「下水場」に送られ、処理後、川に流され、海へでます。
きれいにして戻してくれてるはずなのに、なぜ汚いのでしょう?とても不思議です。
考えられる理由としては、
①「工場からの産業排水?」
最近は、工場でも排水処理対策が取られ、以前より綺麗になってるとのこと。
②「昔の浄化槽(単独浄化槽)の使用がいけない?」
し尿の処理のみで、生活排水の処理をしてないタイプの浄化槽がある?でも新規の設置はできなくなり、「合併処理浄化槽」への転換を促進中とのこと。(そもそも旧型がそんなに多いものなのか?)
③「下水場の処理能力をこえると、下水をそのまま海に流すことがある」
これは豪雨が降った時などの話。
「合流式」という下水道は、雨水と生活排水を一緒に流すため、豪雨などで一気に水が下水場に流れこむことそのまま処理なしで放流をするのだとか。*2
「下水場」も万能じゃないはずで、その処理能力を考えて、私たちも生活排水を減らすことがやはり重要なのかなぁと感じます。*3
しかし、上にあげた以外にも何らかの「排水」が流れこんでいるのでは?と、依然思うのです(排水源を特定すること自体難しそう)。
さいごに
結局、 「日本1汚い海は名古屋港?」は仮説のままでした。
東京や関東の港には、ものすごいところもあるのかもしれません。*4
もう1つ、「名古屋港が汚い原因」は地形、その湾の形にもありました。伊勢湾の奥で、そもそも水の循環がしづらい典型的な「閉鎖性水域」で、汚れやすい港なのです。
「港が汚いのは、まあしょうがない」「港は色々流れこむし、しょうがない」と私を含め多くの人が、港に対して無関心になっている。きっとこれが1番の問題で、
海がきれいなことほど嬉しいことはないはず、と深く反省しながら、以上、『【仮説】「日本1汚い港」は名古屋港?』でした!ではまた!
コンテナ船やタンカーの風景もいいものだ Julius SilverによるPixabayからの画像