物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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『名古屋渋ビル手帖』(名古屋渋ビル研究会)という小冊子が可愛い!渋ビル愛がつまった小冊子。【レトロビル】

名古屋渋ビル手帖』という可愛らしい小冊子があります。名古屋市内の渋~いビルをめぐって、写真と文章で紹介したもので、2013年から時おり発刊されるこの本を毎回楽しみにしています。

今回は、ビル愛がつまったこのこの可愛い小冊子を紹介したいと思います。

 

『名古屋渋ビル手帳』とは

 

建築とデザインをされている2人の女性(謡口志保さん、寺嶋梨里さん)が、名古屋のレトロで地味に個性的なビルを巡り、建物の特徴・見どころなどを紹介してくれるというもので、現在8冊が刊行されています。

建築畑・デザイン畑の2人からの視点は、目からウロコで、装丁・写真のセンスも抜群。食い入るように読んでしまいます。

そして、生れも育ちもの名古屋民には、顔なじみの建物をみつけるのはとてもうれしいことです

 

最新刊『創刊準備号』と『第4号:西部偵察編』(2020年10月)

 

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一番新しい「創刊準備号」と「第4号:西部偵察編」のセット(2020年10月)

発行日がはっきりしないので、たまに丸善名古屋市・栄)に行き、新刊を見つけたら買うということくり返していました(どうも年に1回、10月に刊行されることが多い?)。

 

この「第4号」は2冊組でした。それだけでもお得な感じなのですが、今まで1冊20数ページしかなかったものが、40p以上の厚みとなり、(おぉ、ぶ厚い!)という感じ。

でも、最初に買った時は、(20数pで、500円は高いなぁ)、と思っていました。今では、そんなことは気にもなりませんが。

個人で制作されていること。何でもネットで発信できる今、紙の本へのこだわりも感じられて、応援したくなるシリーズ本です。

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引用:「第4号:西部偵察編」巻頭

最近買った「第4号」。この巻頭写真に、昔の漁港のビル*1を載せているのを見た時、(ふつうの人にはただの汚いビルにしかみえないだろう、この下之一色のビルを巻頭に持ってくるなんて、ほんとに好きな人なんだなーって)、何だかジーンとしてしまいました。

 

また、写真の撮り方も上手で、写真の色合いにも、センスやこだわりを感じます。

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引用:「第4号:西部偵察編」32p

下は、毎回挿まれる、なぜかの「料理特集」。お料理好きなのかな?

建築にちなんだ料理は、見た目も綺麗で、食べるのがもったいない感じ。発想の妙にも驚かされます。

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「温もりのビルパイ」 引用:「第3号名駅編」16Pより

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引用:巻末『中日ビル特集号』より

毎回、巻末に配されるスケッチも巧い!クセの無いまっすぐな線がさすがです(どうやったら、こんな精密に描けるんでしょうか)。

 

「創刊号」からの7冊

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「創刊号」(2013年8月)と「第2号」(2014年10月)

シンプルなビルの表紙が可愛いのです。集めると、ビルがどんどん増えていく、感じ。

冊子サイズはB6(128×182mm)。

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引用:「創刊号」14pより

本当に渋いビルばかりで、自分だったら、(レトロなビルだな~)とは思っても、ここまでは注目しないでしょう。そうした人とは違う視点もとても素敵だと感じます。

できるなら、ビルが一体どんな風に見えているのか?2人の眼を借りて見てみたい、とおもう。

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「中産連ビル特集号」(2015年5月)と「ビルと喫茶店特集号」(2016年10月)

右の『茶店特集号』は、レトロ喫茶が今ちょっと人気だから、実用度は1番高いかも?

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「第3号名駅編」(2017年10月)と「中日ビル特集号」(2018年8月)

そして、ここまできて、1冊足りないことに気がつきました。2019年10月に発行された『愛知渋ビル手帖』がない。あっ‥、買ってないのか!

というのも、この『渋ビル手帖』、置いてあるお店は愛知でも数店舗。

見に行ったに時は店頭に無かったし、発行されているのに気づいてませんでした。

 

買える場所

 

…というわけで、ネットで探すと、「名古屋渋ビル研究会」さんのサイトが見つかり、取扱い店舗が紹介されていました。

名古屋をはじめ、東京、宮城、岐阜、大阪、広島、兵庫、鳥取でも買えるお店があることも分かりました。

名古屋から離れた場所で、ちょっとレアなこの本を手に取る人はいったいどんな人だろうか、と想像してみたり。

shibubuilding.themedia.jp

サイトがあることも分かったし、取り寄せもできたので、一件落着!今、届くのを楽しみに待っているところです。

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後日届いた「愛知渋ビル手帖」(2019年10月)

 

最後に

 

最初に見かけた時は4冊だったこのシリーズ本が、今は倍になりました。何年にも渡って、「ビル愛」を継続し、成果を冊子にまとめてという、やりきる姿にも感心しきり。

『名古屋渋ビル手帖』を買い続ける理由。それは、建築の見かた・知識とともに、2人の静かな熱量が感じられるからだと思うのです。

本屋には、ただ刊行しただけの、熱量の感じられない本もたくさんある。

‥ということで、今回は以上です。『名古屋渋ビル手帖が可愛い!』でした!ではまた。

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下之一色漁港の跡(2020年2月)

*1:名古屋市中川区下之一色町しものいっしき。