今は『るるぶ宇宙』(2021年4月発売)を読んで宇宙へ行く時代【宇宙旅行】【宇宙ホテル】【宇宙寺院】【宇宙葬】など
今話題の『るるぶ 宇宙』を読みました。正直、想像の斜め上を行く内容でとまどったのですが、書いてある内容、面白い部分などを抜粋しています。
近年、宇宙での発見・映像をニュースでよく目にしますが、全体としての宇宙計画も分かり、実際に宇宙に行きたい人のための情報が分かりやすく書かれた1冊です。


- 特集「ISS」とは?
- 「ISS」では何をしている?
- 民間宇宙船で行く『宇宙旅行』最前線(将来的には、「宇宙ホテル」に「宇宙エレベータも」)
- 現在は、火星へ向かう『アルテミス計画』中
- 特集「太陽系惑星など」
- 特集「日本にある宇宙スポット」
- 宇宙寺院「浄天院劫蘊寺」と宇宙葬
- 最後に
特集「ISS」とは?
巻頭、「ISS」のことがサラりと書かれ、始まりますが、まずその単語はいったい?ですが、ISSとは、「国際宇宙ステーション(International Space Station)」の略で、NASAが1982年に計画を発表をしたものです。
ISS CGによる完成予想図 NASA - http://spaceflight.nasa.gov/gallery/images/station/issartwork/html/jsc2006e43519.html, パブリック・ドメイン, Lik
世界の国々で共同して、宇宙探査・研究の基地を地球の上空に作ろう、というもので、1998年から、パーツの1部分づつを打ち上げて行き、2011年、ついに完成しました。
ISS_configuration_2011-05_en.svg: NASA and various Wikimedia editors including Colds7ream, Fritzbox, Johndrinkwater, Ras67 and Chepry.derivative work: Trex2001 (talk) - ISS Configuration as of June 2017.svg, パブリック・ドメイン, Link
このISSに民間人を受け入れ、商業活動に提供するという発表がされたのが 2019年。
そして、2021年はいよいよ、民間会社で行く宇宙旅行が本格的に始まる、という地点で、これから、こうした宇宙旅行本の出版も増えていくのかもしれません。
そして続く2024年には、商業用の豪華な宿泊施設がISSにドッキング予定、などという話を聞くと、いよいよ宇宙旅行がすぐそこ、ということに驚きます。
「ISS」では何をしている?
「ISS」は、数名の宇宙飛行士が、実験・研究の為に滞在をする施設です。
そのサイズは、全長73m・全幅108.5m・全高20mで、高度約400kmにあって、地球の軌道上を約90分で周回しています。
400kmと聞くと、東京~大阪間よりはまだ近いか?と一瞬思ってしまいますが、やはり想像超えの話(ちなみに、宇宙は高度100km以上から)。
ISSに滞在する宇宙飛行士の忙しい日常(実験・観測・広報活動など)や、無重力状態の生活についての話(水の再利用、トイレ・歯磨きは?食事は?)は、誰もが興味深く読める記事となっています。
【参考】
■グーグルマップ
「宇宙」(宇宙に飛び出して、惑星やISSの中を見ることができます。各惑星に、+でズームインしていくことで、惑星表面までクリアーに見ることが出来て、驚きます。)
■グーグルアース
「グーグルアース」から、宇宙ステーションへリンクします(立ち上がりに少し時間要)。画面右側から、さらに「ISS」の中の色んな場所を見ることができます。
■グーグルスカイ 宇宙や天体写真など。
民間宇宙船で行く『宇宙旅行』最前線(将来的には、「宇宙ホテル」に「宇宙エレベータも」)
引用:『るるぶ宇宙』18p
スペースX社とボーイング社がそれぞれ開発した宇宙船が紹介されています。
ドラゴン2(スペースX社) Official SpaceX Photos - NASA Crew Demo-1, CC0, Link
CST-100 スターライナー (ボーイング社)
NASA/Cory Huston - https://www.nasa.gov/feature/boeing-cst-100-starliner-takes-next-step-for-orbital-flight-test (image link), パブリック・ドメイン, Link
スペースシャトルに比べると、小ぶりでだいぶ軽く、可愛い宇宙船という感じです。
「スペースシャトル(定員7名)」は、全長37.2m、重さ78tでしたが、スペースX社製の「クルードラゴン(定員7名)」は、全長8.1m、直径4m、重さ6tというサイズ。
宇宙に行くプランはいくつかあり、宇宙にちょこっと飛び出すだけのものから、月周回コースなど、見ていると、スゴイ時代だ‥とため息が出ます。
ちょこっと宇宙へ 4分間の宇宙の旅 引用:『るるぶ宇宙』28p
【宇宙旅行プラン の例】
◯『月周回プラン・約6日』(スペースX社)
【料金】『るるぶ』には、1人につき、700~1000億?と書かれていましたが、にわかには信じられない巨額。何かの間違いではないか?と思うのですが‥。
ZOZOの創業者・前澤友作さんが、2023年、このスペースX社の最新宇宙船で月にいくことが決まっています。同乗者分8名分のチケットを確保し、同乗者を現在募集中ですが、購入した金額は明かされていません。
「ZOZO前澤氏の月旅行は総額750億円以上か?搭乗者最大9人の気になる「旅費」Businessinsider/2018
[http://
【発表】2023年に予定している月旅行に8名様をご招待します。本日より応募受付開始します!みんなで楽しい旅行にしましょう🚀🌍🌕 #dearMoonhttps://t.co/xBtOyJMIUh
— 前澤友作┃お金贈りおじさん (@yousuck2020) March 2, 2021
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前澤さんも乗る次世代最新機「スターシップ」(スペースX社)
Space Explorations Technologies Corp. - SpaceX Flickr, CC0, Link
「スターシップ」想像図 Space Exploration Technologies Corp. - SpaceX Flickr, CC0, Link
◯もっとお手軽『数分間宇宙へ行くプラン』
【料金】1700万~3000万(数社のプランあり、前出「サブオービタル」など。)
【必要日数】数日(訓練日数も含む)
など。また、「ISS」に1泊する場合、宿泊費用は380万円ほどだそうです。
そして、将来の話ですが、清水建設が構想中の「宇宙ホテル」や、大林組による「宇宙エレベーター」は海から宇宙までケーブルを伸ばし、エレベーターで行き来させる、というもので、今から30年後には実現する可能性のある話、といいます。
引用:『るるぶ宇宙』33p
現在は、火星へ向かう『アルテミス計画』中
「アポロ計画」はもはや大昔の話。現在は、月と火星へ向かう「アルテミス計画」の途上にあります。
計画では、2024年に有人月面着陸を行い、*1 その後、月周回軌道上に有人基地「ゲートウェイ」を建設(2028年完成目標)。次に、火星へと向かうという前代未聞のプランが進行中です。
特集「太陽系惑星など」
1つ1つの惑星を見開きで詳しく、解説が組んであります。
惑星は、3つに分類される(岩石惑星、巨大ガス惑星、巨大氷惑星)という知識、月の地下には巨大空洞がある?、火星の赤色は酸化鉄を多く含むから、月では永遠に足跡が残る(空気・風が無いため)などというトリビア満載でワクワクしつつ、読むことができます。
また、「土天海冥‥」と覚えた冥王星が、2006年、「惑星」から外されたという事実にも驚きました(現在は「矮惑星」)。
特集「日本にある宇宙スポット」
日本にある宇宙関連の施設(天文館、科学館など)が紹介されています。
これなら行けそう、という施設も多い中、「JAXA筑波宇宙センター」(つくば市)とともに、やはり出色は、種子島の「JAXA種子島宇宙センター」。
ロケット発射場、組立場の他、「宇宙科学技術館」などの施設もあり、美しい種子島の風景とともに、1度はぜひ行きたい場所です。
大崎射場 ウニウニ - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
世界1美しい発射場と呼ばれるのも納得の美しい眺望で(ゴジラが襲いそうなロケーション)、ロケットの丘展望場という場所から、こうした引きの様子を見ることができるそうです。
なぜ、種子島に発射場があるのかですが、理由の1つは、打ち上げには地球の自転を利用するため、射場は赤道に近い方が良いのだそうです。
吉信第2射点
Naritama (NARITA Masahiro) - Photo taken by Naritama (NARITA Masahiro), Link
宇宙寺院「浄天院劫蘊寺」と宇宙葬
「宇宙寺院 劫蘊寺ごううんじ」とは、2023年打ち上げ予定の人工衛星に、寺院の役割をのせよう(仏様や曼荼羅を安置)、というもので、醍醐寺などが計画したものです。
現在、HPで「宇宙祈願」などを受けつけ、宇宙の平和を守る宇宙法要が定期的に行われているそうです。
また、「宇宙葬」の方は、銀河ステージという会社からオーダーすることができます。
打ち上げはアメリカで行い、遺灰を入れたカプセルを宇宙空間や月へ、または人口衛星に載せて地球上を周回させる、などのプランがあり、お値段は約49万から、ということでした。
お寺やお墓が宇宙へ行くだけでも驚きですが、これからは、宇宙コンサート、宇宙レストラン、宇宙植物園と‥、本当に何でも実現する時代に突入していくのでしょう。
最後に
宇宙情報満載の『るるぶ宇宙』を読み、新型コロナで停滞しているように見えても、世の中、日進月歩なのだ、と衝撃を受けました。宇宙の商業利用はもうとっくに始まっているのに、まだまだ遠い話、と思っている私のような人も多いかもしれません。
これから、私たちの生活に確実に影響を及ぼし、また宇宙関連事業は、ビジネスチャンスを考えている人には宝箱のような存在で、宇宙へのロマンだけでなく、現状を知る手がかりとしても良い1冊だと思います。
また、宇宙食、はやぶさ2、地球外生命体の話なども面白かったのですが、長くなったので、割愛しました。
‥ということで、「今は『るるぶ宇宙』を読んで宇宙へ行く時代」でした!以上です、ではまた!
*1:月面着陸が半世紀ぶりなことと、月で氷(水)を探す目的がある。