物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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(おもに)物欲ぶつよくの記

山に降る雪のような『ストームグラス』【フェリシモFERLISSIMO】を買いました(19世紀の気象予報道具)

ストームグラスをご存じでしょうか?見たことある人もきっと多いかと思います。

ガラスの中に透明の液体が入っていて、液の中の結晶の沈殿具合や形状で天気を占うというものです。

その気象予報の真偽はさておき、見た目の面白さや動きがあることから、現在ではインテリア感覚で楽しむことが多いようです。

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嵐 FelixMittermeierによるPixabayからの画像 

①「ストームグラス」とは

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「ストームグラス」 Wolfgang Abratis / Enigma-e at en.wikipedia - , パブリック・ドメイン, Link

使われだしたのは19C初頭のヨーロッパで、航海時の気象予報の道具として船に積んだのだそうです。

発案者の名前はCorti という人物であったとか、あまり詳細なことは分かりませんが、当時のヨーロッパで様々な実験を行ううちにその特性が注目されたのでしょう。

透明な液体はエタノールで、そこに樟脳硝酸カリウム塩化カリウムを溶かしたものが「ストームグラス」の正体です。*1

 

②【フェリシモFERLISSIMO】の「ストームグラス」よかったワケ

 

完全に見た目の美しさ。しずく状のストームグラスなどを目にすることがあり、面白いなとは思っていたのですが、ある日、届いたフェリシモのパンフ。

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「ストームグラス」のパンフ

まるで、雪山の山頂を切り取ったようなストームグラス。

どこかの山頂に積もる雪のイメージ、この素敵なイメージにつられて買ってみることにしました。

 

③実際の商品 「天気によって結晶が変化する雲海から山頂がのぞくストームグラス」

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どこかの山頂がモデル?

『天気によって結晶が変化する雲海から山頂がのぞくストームグラス』

【素材】 水、エタノール、天然樟脳など

【サイズ】 直径約10cm×高さ8.5cm 【値段】 3740円(税込)

www.felissimo.co.jp

 

手のひらサイズの水晶玉みたいな感じですが、逆さにすると水晶玉とは違いがあることが分かります。

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逆さにしてみる

写真ではみづらいですが、球ではなく、凸型にえぐれています

(その方が重くなくていいのかも)と思いながら、「取扱いの注意」を読むと、

◯ 火の側に置かない

◯ 直射日光をさける(発火の危険性を避けるため)

◯ 絶対に加熱したり、急冷しない。

◯ 割って、中の液体が肌についた場合、流水ですぐに15分以上洗い流し

◯ 衣服にかかったら、流水で洗い流し。放置すると化学火傷の原因に。

◯ 吸い込んだ場合、すぐに新鮮な空気の場所へ移動。大量に吸い込むと呼吸困難になる場合も。

◯ 誤飲した場合、痙攣を誘発する恐れあり。

「シーン」

(子供やペットがいなくてよかった)と一瞬思いましたが、樟脳が問題なのかな?何が問題なのだろう?と考えてしまいました。

樟脳は、防虫剤でお馴染みのクスノキから生成される物質です。どちらかというと、硝酸カリウムの方が問題なのかな?よく分らないけれど。

「注意書き」の文言に怯えて、とりあえず絶対割らないようにと心に決めました。

 

④「ストームグラス」の気象予報

 

「解説書」には科学的根拠はないけれど、状態判断としては、

◯ 液体が澄めば「好天

◯ 大きめの結晶が浮いたら「曇り

◯ 液体が曇る 「

◯ 筋状の結晶 「強い嵐

◯ 結晶が上部にある 「

とありました。またwikiには、

  • 天気が晴れるなら、ガラス管内の固形分は完全に底に沈み、液体は澄みきる。
  • 雨に変わる前は、沈殿物の量が徐々に増え、星のような形のものが透明の溶液中を浮遊する。
  • 嵐やひどい風の前には、固形分の一部が溶液の表面まで達し、大きな葉のような形になる。
   溶液は濁り、発酵しているように見える。この現象は天気の変わる24時間前に見られる。
  • 冬、特に雪や霜のときには、管の高い位置まで沈殿物が積もる。内容物はとても白く、浮遊する点状のものが見られる。
  • 夏、とても天気がよく暑くなるときは、沈殿物は管の非常に低い位置までしか積もらない。
  • 風や嵐が接近してくるときは、接近してくる方向の反対側のガラス管の壁に沈殿ができる。 
引用:「ストームグラスwikipedia

とあり、真偽は分からないけれど面白いものだなぁ、と思ってみています。

窓際玄関に置くと安定するなどの情報もあり、場所を変えながら様子を見ています。

結晶の変化の差は、温度湿度気圧などと言われますが、何が関係しているのでしょうね。

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12/27(2020)の様子

最後に

 

 wikiを読むと「ビーグル号*2や、小説『海底二万里』のノーチラス号にも搭載されていたということで、時代の息吹や「で、実際どうだったの?」という想像もふくらむ「ストームグラス」です。

家族からは「天気予報ならスマホやTVで見ればいい」と揶揄されますが、19Cや中世の錬金術への興味もあいまって、楽しんで観察しています。

そこだけまるで別世界のような「ストームグラス」の世界が好きな人はきっといるはずと思いつつ、以上、『山に雪が降るようなストームグラスを買いました』でした!ではまた!

【追記】

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小さなストームグラス(2200円・税込)(直径10cm・H8.5cm)

ブログを書いた後、小さいサイズも発売されました。

こちらの方が小ぶりで扱いやすいという長所もある。

 

*1:storm=嵐、の意味。

*2:19c、世界を探検したイギリス軍艦。3回行われた2回目の探検にはダーウィン(1809-1882)も乗船した。