「お稲荷さんの狐は何をくわえている?」日本人が口にくわえるものを考える(薔薇・巻物・刀・つまようじ・チュパチャップス)
冒頭は、前回ブログで少しふれたキツネ(稲荷)がくわえる巻物について書きます。
後半部分は、「巻物」からの日本人がくわえるものについての個人的見解です。
日本人はどんなものをくわえているのか?なぜくわえるのか?をみていきたいと思います。
butuyokuko.hatenablog.com 大きく4つといわれます。どれも稲荷神の眷属としてふさわしい持ち物です。 ①「宝珠ほうじゅ」 如意宝珠は仏教由来。平安時代に神道にとりこまれ、稲荷社などでみることが多いです。 ②「巻物」 気になる巻物の中身はお経とも。また知恵を象徴しているともいわれます。 ③「稲穂」 稲荷神が「穀物」の神であることから、持つのにぴったりなアイテム。 狐の尾っぽの黄色くふさふさしたようすが「稲穂」を連想させるという説があり、目に浮かぶようで好きな説です。 ④「鍵」 倉庫の鍵ともいわれます。 この中で、なんとなく違和感を感じるのは「鍵」です。 説明としては、伏見稲荷の「玉鍵信仰」に由来するというものですが、あまりピンとこないというのも。*1 「伏見稲荷」では、これらおキツネ様のくわえる持ち物をお守りとして授与しています。 liondogさんという方のブログで*2、「鍵の形は破損しやすいので、巻物におきかえた」「破損した鍵を巻物と誤解した」という巻物の発生説をのせてみえて、とても興味深く感じました。 また、「巻物をなぜ狐がくわえるのかを説明した文献をまだみつけてない」とも書かれていました。 『鬼滅の刃』のヒロイン? いやいや、あれは猿ぐつわの「竹筒」。 ではなくて、巻物をくわえるキツネ像をみて思ったのは忍者でした。 「秘伝の巻物」をくわえてドロンドロンのイメージです。消えたり、大ガマに化けたりします。 この巻物をくわえてドロンドロンのイメージは、江戸時代からのようで、歌舞伎のシーンなどが思いあたります。 【巻物をくわえる歌舞伎の演目】 ①『伽羅先代萩』めいぼくせんだいはぎ 仁木弾正(ワル者)が巻物をくわえ、大ネズミに変身するシーンがある。 義賊の自来也が、大ガマの上で巻物をくわえて妖術を放ち、活躍する話。*4 このように、妖術使いや忍者が巻物をくわえるようになったのは、小説・お芝居などの演出で、インパクトがあり、わかりやすかったからでしょう。*5 他にもくわえる「コンナモノ」 有史以前から(?)、人間はありとあらゆるものをくわえてきました(知らんけど)。 おしゃぶり、タバコ・葉巻、エンピツ、釘、指、ハンカチ・てぬぐい*6、メガネ、食パン‥、くわえられるものはもうナンデモ! 思いつく代表的なものを見ていきましょう。 時代劇『木枯らし紋次郎』の主人公の長つまようじ。インパクトありました。 長さ30㎝位の長大なやつです。なぜくわえているのでしょうか? こちらもアウトローぽい演出のためで、そんなに大きな理由はないかもです。 たまに、悪人に吹いてみたりしています。 Tsugaru - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link 上の写真のような、抜きみの刀を口にくわえたのを見ることありますが、ナンカコワイ! 「ワンピース」のゾロのくわえる日本刀とか、「メタルギアソリッド」の狼犬のナイフとか。 いくら演出とはわかってはいても、そんな追い込まれた状況にならないよう気をつけてほしいものです! 顔に変化を与える小道具として、「若い、明るい、元気」なノリを演出。 今度生まれ変わったら、こんな陽キャになりたいものです。 これを見た時、ちょっと衝撃でした。 美しくなるためにはここまでしなくてはいけないのかという。 表情筋を鍛える道具で、他にも色々な商品(PAOとか)がでています。 着想は①の『木枯らし紋次郎』からだそうです。 こんな感じの二葉を生やして、いやくわえていました! 葉っぱは、赤ん坊の頃からおしゃぶりを嫌がり、葉っぱを咥えてていたため、そのまま口から離さなくなった。くわえている葉っぱは岩鬼の気分によって花が咲いたり枯れたりする。 引用:wikipedia「岩鬼正美」より このwikiの説明をみるまで、私は「口のなかから生えてる」と信じて疑わずでした。 アニメでは、葉っぱはかなり垂直に天に伸びています。だからてっきり、口の中の養分を吸いスクスクと育っているものと。いやぁ、驚いた。 これは大きな問題です。 まずだいたいトゲがじゃまだし、くわえる必要がそもそもない。 おかげで20世紀以降、ネコもしゃくしもくわえだしてしまいました! 人類がいつからバラをくわえだしたのか? それはどうも、1915年の無声映画『カルメン』が初出のようです。 (実際はバラじゃなくて、違う花の造花だったようですが。) ここから、「フラメンコ」もバラをくわえるイメージになっていったそうです。 と、主なもの見てきました。 他に変わったところで、松明、人間の生首、なんてものもありました。 口にくわえる理由は、たばこや葉巻など実用的にそれでいいだろう、という場合以外は、主に芝居などの演出(注目を集める、意表をつく)で、また感情などのわかりやすい「サイン」として機能している、ということが分かりました(他にもあるかもしれないが)。 もし、口に何かをくわえて、あなたの方を見ている人がいたとしたら、 ワンコがぬいぐるみをくわえて見せにくるのと同じで、 それは、きっとあなたの気を引きたい「演出」なのかもしれません。 笑って「ナニソレ⁉」、と言ってあげましょう! ということで、以上、『お稲荷さんの狐は何をくわえている?日本人が口にくわえるものを考える』 でした!ではまた!
狐(稲荷)のくわえるもの
「巻物」をくわえてるといえば
①つまようじ
②刀剣類
③チュパチャップス
④リフトアップトレーナー「ブルブル子」
⑤葉っぱ
⑥薔薇・なぜ人類はバラを口にくわえてしまったのか?
最後に