物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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『明治の濃尾地震の痕跡を見にいく【高さ6mの断層崖】【根尾谷断層】【マグニチュード8.0】【地震断層観察館】(岐阜県本巣市水鳥)

(更新日2021年3月31日)

前回の「金生山(大垣市)」からの帰り、「根尾谷ねおだに断層」に行ってきました。ここは明治24年の「濃尾地震」の震源で、その時できた断層が保存・展示され、地震断層観察館』として見学をすることができます。

butuyokuko.hatenablog.com

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「濃尾大地震」(明治24年・1891)

 

「濃尾のうび地震」は、日本で起きた最大クラスの直下型地震です。明治24年10月28日朝の6時過ぎに発生し、その震源地こそ、根尾谷でした。

推定マグニチュードは8.0。震度7を記録し、死者が7000人以上が出る惨事となりました 。10月下旬の日の出は6時位で、まだ家に居る人も多かったはずです。時間帯も不運だし、当時の木造家屋は全然持たず、ぺしゃんこに潰れた写真が幾つも残されています。

2つの違いをいつも忘れてしまうのですが、マグニチュード地震自体の大きさをあらわし、

震度は、(生活してる場所での)揺れの大きさを表します。

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濃尾地震で倒壊した家屋 不明 - by Mrs. Hugh Fraser, London Hutchinson, 1899,  Link

 

一家ほぼ全員が亡くなった

 

個人的なことですが、その7000人の死者数に入っているのが私の母方の家です。

一宮市萩原に住んでいた曾祖母の家では、10代の曽祖母1人を残し、一家全員が亡くなったのだそうです。震災当時、そんな家は珍しくもなかったのでしょうが、若い女の子1人で一体どうしたのだろうか?と今でもふと考えます。

母方の家の、濃尾地震以前のものは何も伝わらずで、地震が一家の歴史の全てを奪い去ったようです。曽祖母が大地震を生きのびたおかげで、自分もこうやって色々とできるわけで‥。1度その震源地を見てみたい」、と思っていました。

 

地震断層観察館』

 

樽見たるみ鉄道(大垣~樽見間)で、「水鳥」みどりという駅に向かいます(約1時間)。本巣もとす駅を越した辺りから、左右に山がせまる谷の中へ入っていきます。

樽見鉄道は、根尾川ねおがわ沿いに、川を幾度も超えながら進みます。山桜や渓流の日本ぽい風情に感心してるうちに、水鳥駅へ着きました。

水鳥駅からすぐのところに、「断層崖だんそうがい」(国の天然記念物)と地震断層観察館があります。

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右側の建物が「観察館」(赤は、断層で盛り上がった部分)

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赤丸部分:断層(「観察館」は断層の上に建てられている)

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観察館前の断層崖

 『地震断層観察館 体験館』

 【開館時間】4月(9-17時) 5-10月(10-17時) 11-3月(10-16時)

【定休日】月曜日  【料金】大人500円 小人250円 

【場所】本巣市根尾水鳥512  【開館】1992年~

【展示内容】地震の仕組みの解説・展示や、震度6の揺れが体験できる「地震体験館」がある(この時は、新型コロナの為、休止中)。

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      明治24年の震災直後の写真 Koto, Bunjiro.,/Link  

まん中の盛り上がりが、地震で隆起した部分(断層崖)です。高低差は6m、横ずれ4m。長さは1㎞です。写真の断層崖の所に、「fault」の文字が見えます(「断層」の意味です)。

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現在の断層崖の様子

今の写真でも盛り上がり(赤線部分)が分かりますが、草も生えて少しマイルドになった感じ?知らなければ、ただの土手に見えます。

この断層崖の上に建設されたのが地震断層観察館で、断層崖を8m掘って、断面を露出させています。

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「観察館」内(垂直ずれの観察ができる)

下から、土色の濃い部分(赤矢印隆起したが、分かります。

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観察館内

 広い「観察館」の中、黒い地下とたった1人対面するのはかなりの迫力で、ゾクッとしました。これくらいの隆起は、地球にとってはたいしたものではないのかもしれませんが、人間にとっては絶望的な恐ろしさです。

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断層展望広場にある説明版

 

美しい「根尾谷」

 

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根尾川が削った渓谷「根尾谷」

「水鳥」駅周辺の風景はきれいなのですが、左右の山の山頂が崩れそうな錯覚を覚えました。実際、濃尾地震の際、山崩れを写した古写真もあったので、崩れやすいのはあるかもしれません。

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根尾川能郷白山

根尾川は、能郷白山を源流とし、流れる川で、とても水が澄んでいて感動しました。奥に見える能郷白山のうごうはくさん(1600m)も白雪をかぶって美しかったです。

綺麗だけれど、なにか怖く感じるのは、谷川にせまる両側の山の圧迫感のせいなのかもしれません。

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根尾川の澄んだ水

「根尾君」との関係は?

 

断層とは関係ないのですが‥、根尾谷といえば、中日ドラゴンズ根尾君

根尾くんは、「旧根尾村」と何か関係ないのでしょうか?(出身は岐阜県飛騨市だから、少し場所が違うのですが、同じ岐阜県です。)「旧根尾村」は「根尾」つながりで応援しているそうで、町には「応援してます」ポスタ-が貼ってありました。

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町でみかけたポスター

最後に

 

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断層崖の近くには、樹齢1500年の「薄墨桜うすずみざくら」があり、春の観光名所として有名

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観察館で買えるパンフ『濃尾地震と根尾谷断層』(1000円)もおすすめ

…ということで、「断層崖」は想像以上の迫力で、大地のものすごい力を目の当たりにできる珍しい場所でした。また、根尾谷の風景も興味深く、おすすめな場所です。

以上、『明治の濃尾地震の痕跡を見にいく』でした!ではまた!