物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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【菟足うたり神社】「生けにえの伝説」と「風かざ祭り」について(愛知県豊川市)

豊川市にある菟足神社という古い神社に行ってきました。

ここは色々と面白い神社でした。

(現在は、ごくふつうの見ための神社なのですが)

 

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南から

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本殿

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うさぎの紋入りの「のぼり旗」

 

【菟足神社のここが面白い!ポイント】

 

① 歴史が古い

② 675年、「秦石勝(はたのいわかつ)」によってこの場所に祀られた。

 (以前は少し離れた浜にあった) 「渡来系の秦氏が創建にかかわっている。

③ 「生けにえ伝説」があり、今も『風祭り』になごりがある

④ 『風祭り』で売られる「風車のおもちゃ」が古風で素敵

⑤ 「うさぎ」にちなみ、境内には「うさぎのモチーフ」がたくさんある

⑥ 『徐福伝説』がある

⑦ 「旧東海道」ぞいにある

⑧ 立地がおもしろい。「菟足神社のある場所は、以前どんな場所だったのか?」

  • 昔は豊川の河口に位置し、社前に豊川が流れていた。
  • 「小坂井こざかい」という地名どおり、「さかいの土地」
  • 三河遠江の国境で、道の分岐点で、交通の要衝。
  • 豊橋市豊川市は、豊川の「河岸段丘に囲まれた土地
  • 昭和40年に完成した「豊川放水路」がめずらしい(豊川の水を調節することで豊橋の町を水害から守っている)

(豊川については、「日本の川-中部-豊川-国土交通省水管理-国土保全局」のサイトが地図や図入りでわかりやすく、面白かったです)

https://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kasen/jiten/nihon_kawa/0506_toyokawa/0506_toyokawa_01.html

⑨ この付近は貝塚や遺跡が多く、古代から人が居住していた場所だった。

 

いやぁ、おもしろい神社。

想像力をかきたてられる興味深い場所です。

 今回は、一番気になっていた③について書いていきます。

伝説は2つあり、

1つ目 『今昔物語』(平安末期)記載の話

 

三河国司大江定基が、菟足神社で行われる『風祭』のようすを見て

ショックを受け、「ただちにこの国を去ろうと思った」、という話。

『風祭』では「生けにえの猪」を捧げ、生きたまま切り裂く(味がおちないように?)ということをしていたので、定基はそれを見てつらくなってしまったという話。

平安時代には、定基が見たように猪を捧げていたようですが、

江戸時代には、現在と同じく「スズメ12羽」に変化していたそうです。

 

この『風祭』は、(少なくとも)平安時代から継続して、現在でも行われています。

3日間の祭礼の初日。

近くの神社へ出向き、境内で矢を2本放つ『』雀射初いそめ神事』。

2日目には『雀射収いおさめ神事』が行われます。

(かっては「生きた雀を射ていた」ということですが、それが「鳥形」にかわり、

今は「空」を射る、のだそうです)

祭り最終日の『雀献供』では、宮司が雀12 羽と白酒と醴(甘酒のもと)を神様にお供えするそうですが、これは他の人間が見ることを許されていない、ということでした。

(今でも、ほんものの「雀」をお供えしているのか、気になりますね)

 

2つ目 『子だが橋の伝説

 

『風祭』前日の早朝、境にある小橋を1番最初に通る若い女性をとらえて、

「生けにえにする習わしがあった」、という伝説があります。

ある年、生けにえ調達役の男性がとらえた女性は、里帰りしてきた自分の娘でした。

しかたなしに、娘を神社の「生けにえ」としてさしだし、

それ以後、その橋を「(自分の)子だが橋と呼ぶようになったといいます。

(「子だが橋碑」や『小坂井町の史跡と文化財』( 小坂井町教育委員会)に書かれる内容ですが、もとになった話はどこからの出典なのか今回は分かりませんでした)

 

菟足神社と『風祭』の情報

 

住所:豊川市小坂井町宮脇2

ご祭神: 菟上足尼命(うなかみすくねのみこと)

神社の創始:675年?

『風祭』:荒れた海や風がしずまるよう、祈念するまつり

祭礼日:4月第2(金)、土日

 

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神社で頂けるパンフ。境内の「うさぎ探し」ができます。

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本殿内の大きなうさぎ神輿

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お賽銭箱のうさぎの神紋

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神主さんの不在が多いらしく、「書きおき」で頂けます。

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菟足神社のおまもり。「風車」の絵馬がみえます。
個人的な感想

 

昔話にみられる「人間の生けにえ」が本当にあったのかは、少し疑問に感じています(仮にあったとしも、極めて稀なことだったのではないでしょうか)

(「動物の生けにえ」は、遺跡の牛馬の骨の出土状況や、

(長野)「諏訪大社」の鹿の頭をお供えする「御頭祭」でみることができます)

「人間の生けにえ」が伝説・伝承の域を出ないのは、証拠が出てこないためで、

かわりに「痕跡」を探すことになるのですが‥、

本当のことは永遠にわからないかもしれません(残念ですが)。

そして、もし来年の『風祭』が開催されるのなら、ぜひこの珍しい祭りを間近で見て、

お土産には「風車」を買いたいなぁ、と今から楽しみに考えています。

 

以上です!「事実はもう分からない?生けにえの話について」でした。