『この世で1番ガマンした人って誰なんだろう?と考えてみた』(「臥薪嘗胆」「鉄仮面」「巌窟王」「田中正造」「デビルマン」‥)
1番ガマンした人?そんなのもちろん分かるわけはないんです。「この人の方がガマンしてる」ってどうやって決めるの?って話なのですが‥。
今回は、思い浮かぶガマンな人の事例をあげて、そのガマン人生をみていきたいと思います。
- 1番ガマンした人って誰だろう?
- どうやってガマンを比べるのか?
- 【思いうかぶガマンな人】その① 『臥薪嘗胆』の主人公 (呉王「夫差」と越王「勾践」)
- その② 「鉄仮面」(仏)
- その③ 「巌窟王」(1844-46連載・仏)
- その④ 田中正造(1841-1913)
- その⑤ 「デビルマン」(アニメ版)
1番ガマンした人って誰だろう?
なぜ、そんなことを考えたかのというと、ここのところの新型コロナ。全ての人が自粛とガマンを強いられていることと思いますが、「もっとガマンした人っているよね?歴史上で忍耐した人はたくさんいるだろうけれど‥。ガマン人生えりすぐりのプロフィールを読んでみたい!」と単純に思ったのです。
史上最強の「ガマン人生」を読んだら、きっと自分のことなんか小さい、小さいってきっと勇気をもらえることでしょう。
どうやってガマンを比べるのか?
最初は、困難(生い立ち、病気・貧困、非難・迫害・冤罪etc)の強さや回数、年数、などから忍耐度数を出す?とも思ったのですが、ガマンにだって色々と種類があり、集めるのは難しいだろうと思いました。
例えば、冤罪で何十年とか‥(有名な「サッコ・ヴァンセッティ事件」(1920・米)などが思いだされます)。*1
例えば「病気」とか。「水俣病」とか「ハンセン病」とか「原爆症患者」の人の人生は、苦闘と苦痛の連続で、一生「ガマン」との闘いだったことでしょう。
それらをどうやって比較するのかと言われると、やはり無理だな、と。
情報収集も難しく、ランキング化も困難。まったく企画として成り立っていないのですが、今のところ、こんなことを考えている、ということを書いていきます。ゆるい気持ちでみて頂けたら、ありがたいです!
【思いうかぶガマンな人】その① 『臥薪嘗胆』の主人公 (呉王「夫差」と越王「勾践」)
『臥薪嘗胆』はBC5世紀の呉越間の戦争に由来する故事成語です。昔、中学で習って驚いた覚えがあります。何年も薪の上で寝たり、肝をなめたり、何でそんなことしてるの?って。
【がまんポイント】
◯呉王・夫差ふさは、戦争での屈辱を忘れないように3年薪のベッドで寝て、恨みパワーを継続させた。
◯越王・勾践こうせんは、戦いに負けて「馬小屋の番人」にされた後、越にもどる。帰国後、20年間(?)苦い肝をなめて、こちらも恨みパワーを継続。
どうでしょうか?‥どこまで本当かわからないけれど、ガマンしてますね?ガマンが「故事成語」になった一番古い例でしょうか?
その② 「鉄仮面」(仏)
『鉄仮面』は物語かな?と思いきや、ルイ14世の時代に実在した囚人です。しかし、鉄の仮面ではなく、布製のマスクを面会時につけさせられていたという話。
そして、特別待遇の囚人で「もし人前でマスクを外そうとしたら、殺害せよ」との指示が出ていたといいます。
正体は諸説あるようですが、仮面のイメージが強烈だったため、その後、文学作品や映画の題材となっています。
【がまんポイント】
◯1669年(?)‐1703年の(少なくとも)34年間の牢獄暮らし。
ガマンもしてるけど、ミステリアスなその素性も気になりますね。
その③ 「巌窟王」(1844-46連載・仏)
『巌窟王』も「鉄仮面」と似たかんじですが、こちらは、A・デュマの完全な小説(原題は『モンテ・クリスト伯』)。
主人公の航海士が無実の罪で牢獄に入れたれた後、脱獄をし、巨万の富を得て、自分を陥れた人間たちに復讐をしていく話。
【がまんポイント】
◯無実の罪で土牢に14年監禁。そのあいだに恋人も奪われる。牢獄おくりの直前は、昇進を約束され、結婚直前の20歳の幸せな青年でした。人生の頂点からの奈落にもう悔しくて悔しくてしょうがなかったことでしょう。
その後、復讐鬼になってしまってもこれはいたしかたない話‥。
その④ 田中正造(1841-1913)
田中正造は、歴史の教科書の「直訴」のインパクトが強烈な人です。
彼は不撓不屈の政治家で、獄中生活数回。「足尾銅山鉱毒事件」では窮状を訴え、明治34年、天皇に直訴もしました。
そして、死の直前まで地元・栃木に根ざした活動を続け、亡くなった時は無一文になっていたそうです。
【がまんポイント】
明治天皇に渡せなかった直訴状は、平成25年にひ孫の平成天皇にようやく伝えられました。実に112年後のことでした。
その⑤ 「デビルマン」(アニメ版)
えっ?ここで『デビルマン』?と思われるでしょうが、デビルマンだってもちろん、がまんガマンの連続でした。
【あらすじ】
人間を滅ぼすため、魔王の命で主人公「不動明」の体をのっとたデビルマンだったが、(不動明の幼馴染)牧村美樹に心惹かれ、美樹を守るためデーモン族と戦うことを決意する。以降、「裏切り者」と呼ばれながら、毎回毎回、デーモン族の刺客と孤立無援のまま戦うハメに‥。
OPの歌詞の出だし「裏切り者の名をうけて 全てを捨てて戦う男」を聞くと同情が止まりません。つらい時にはこの歌詞を思い出して、「あぁ、デビルマンもつらかったんだろうなぁ」と感情移入し、自分もがんばろうと思うのです。
【がまんポイント】
誰にも理解されずの1人はつらい。デビルマンのガマンは他人事ではない。
最後に、外人さんが「デビルマン」歌うおススメ動画を貼っておきます。キレッキレッでノリノリのとてもかっこいい外人さんで、元気が出ることうけあいです。
Devilman no Uta (DEVILMAN CRYBABY OST) - Cover by Caleb Hyles
今日の疲れやガマンが癒されますように、と念じつつ、『この世で一番ガマンした人って誰なんだろう?』でした!以上です、ではまた!
*1:このサッコとヴァンセッティの2人は冤罪だったのですが、無実の罪で死刑執行されたという恐ろしい事件です。事件を描いた映画『死刑台のメロディー』(1970)も話題となりました。