物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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(おもに)物欲ぶつよくの記

図書館は本の購入をどうやって決めるのか?(購入してもらえた本と購入してもらえなかった本)

図書館の蔵書はいったいどのように選ばれ、購入されているのか?

ここでは(毎月納入の本ではなく)利用者から希望があった本がどのように購入を決定されているのか?の体験談を書いています。

 

①図書館での体験

 

先日、市の図書館に2冊の本をリクエストしたところ*1

1冊は購入した新品を手渡され、もう1冊は「残念ながら購入に至りませんでした」と告げられました。

それを聞き、購入してくれたことに感謝しつつも、とても不思議な気持ちになりました。だって、2冊とも(買うのをためらうような)ビミョ~な本だったのですから!

2冊ともダメなら、逆に(微妙だからかな?)と勝手に納得したかもしれません。

ちなみに、リクエストしたのは以下の2冊。

引用:amazonより

 

このうちの右が購入OKで、左の『マイメロディのマイセラピー』は購入出来ないでした。

しかし、いったいどうやってこの2冊に優劣をつけるというのでしょう?(しかも読まずして?)

からしたら、2冊の微妙っぷりは同じ(だから、読んで判断しようというわけで)。

でも、じぶんが図書館サイドの人間でどちらか1冊なら、エッセイの方を購入するだろうな~とも思うのです。

というわけで、この2冊の決定をとても興味深く感じたので、直接図書館に問い合わせて聞いてみました。

 

②図書館からの回答

 

Q. リクエスト本の購入はどのように決めているのか

 という質問に、次の日、連絡があり、

 【回答】

◯ 1年以内に出版されたものはできるだけ購入する

◯ 利用の多いものを購入する

◯ かたよらないこと

◯ 宗教色のある本はさける

◯ 似た本がある場合はさける

◯ 専門的すぎる本はさける 

 

という内容で、「ざっくりで申し訳ない」と図書館の方に気の毒そうに伝えられましたが、やはりあまり明瞭にはさせないのだろうな、とちらっと思いました。

 

このうちの「1年以内のものはできるだけ購入」ですが、これは1年以内の新刊本は他館からの借り出しができないためで、

たまたま要望を出した2冊は1年以内の新刊。ちょうど他館からの貸し出しができない本でした。となると、購入を検討ということになります。

 

本当は当落の理由をもっと詳しく聞いてみたいというのはあるのですが(さすがにそれは問い詰めるようでできなかったので)、もらった回答から判断すると、

『今日は寝るのがのエッセイはまだ需要がある、と思われたのかもしれません。

やはり一部の人しか読まないような本よりも多くの人が読む本を、これは大きなポイントであったろうと思います。

 

③選定方法(月毎の納入本)

 

これは同時にスタッフさんに聞いた話。

市の職員(司書などを含む)が1ケ月に1度位集まり、大手の出版社などが本のリストを持ってくるので、その中から選ぶといいます。

すると、出版社が最初にすでに選別しているわけで、また大手じゃない出版社は不利じゃないのか?とか拾ってもらえるのかとか。

また、候補にあがる本を全部読むということはさすがにないでしょうから、パラ見や情報だけでこれは需要がありそう、これは良書ぽいと判断しているということなのでしょうか?なんだかどうもこの教えてもらった話では、あいまいな感じは拭いきれません。

 

ちなみに、市町村などで蔵書収集の指針があり*2

例えば、千葉県市川市の「蔵書の構築に関する指針」は以下のような感じ。

(収集にあたっての基本的姿勢)

第3条 図書館は、図書館の自由に関する宣言(1979年改訂 社団法人図書館協会総会決議)前文の本旨に基づき、市民のニーズを総合的に勘案して収集に努める

2 対立する意見のある問題については、バランスを考慮し、できるだけ客観的な立場で書かれている資料を幅広く収集する。

3 著者の思想的、宗教的又は党派的立場にとらわれて、その著作を排除することはしない。

4 図書館に置かれる専門的職員(以下、「図書館員」という。)の個人的感心や好みによって選択しない。

 引用:「市川市立図書館の蔵書構築に関する指針

 

というように、後でみつけたわが市の指針も「国内図書は幅広く収集」とざっくりしたもので、郷土の資料は網羅的に、古い著作は可能な限り収集など、特に留意する点以外は明瞭には書かれてはいませんでした。

みた中ではどこの市町村にもこのようなおおまかな方針はあり、しかし、知りたいのはもっと細かい判定基準や判断で、ただ、これがもれつたわることは少ないのだろうと思うのです。

また特異なのは国立国会図書館で、その「資料収集方針」をみると、国の蔵書としてレアな書籍(和古書・戦前の書籍・博士論文・議員の著作・東日本大震災関連‥)を収集することを掲げており、一般の図書館とは一線を画するのを感じました。

 

最後に

 

ということで、モヤモヤから聞いてみた希望図書の購入についてですが、希望した1冊は需要度の低さから落とされたのだろか?と想像をしています。

ただ指針はあるにしても、最終的に判断するのは人間なので、選ぶ人・状況が違えば購入もあったのではないか?と、ふと思うのです。

図書館のカーテンの向こうでどのような本の選別が行われているのか?公開されているわけでないので、結局、どこまでも想像を超えることはないのは残念ですが、

こうした機会があれば、また聞いてみようと思いつつ、

以上、『図書館は本の購入をどうやって決めるのか?』でした!ではまた!

今回、購入してもらえなかった本は以下のブログに書いています。

butuyokuko.hatenablog.com

*1:愛知県内の図書館での話。その図書館に無い場合、よその図書館から借りる・または借りれなければ購入を検討してくれる仕組み。

*2:「図書館の蔵書構築の指針」「資料収集方針」など市町村で名称は違う。