物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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(おもに)物欲ぶつよくの記

昔のマンガをもう1度買うのは、高価でなかなか大変!(奈知未佐子・こいわ美保子・中津賢也・諸星大二郎)

昔持っていたマンガをもう1度よみたくなって大人買いする。あるかと思います!そんなこと。

キンドルで買えればそれでもいいですが無かったりで、最近、中古で数冊手に入れました。購入した奈知未佐子こいわ美保子中津賢也諸星大二郎のマンガ本を載せました。

奈知未佐子のマンガ

 

 奈知さんの漫画は、ほんわかほろりとした昔話・童話みたいな漫画です。

主に動物や子供、はぐれ者が主人公で、その純粋さに胸をうたれほろっとする、というお話が多いです。

 最初に読んでから数十年。今また、同じように泣けるのか?自分でもドキドキです。

心がすさんでもう泣けないかも?「なんだ、たいしたことないじゃん」など、かって感動したマンガをバカにしだしたりしたらどうしよう?

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傑作集①『羊谷の伝説』 

絵もほんわかかわいい。話の中になどもよくでてくる。

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傑作集②『天女の酒』 

妖精小人もよくでてくる。

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短編集『越後屋小判』 

基本的に心底悪人は登場しない。

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傑作集④『天使の釣り鐘』 ほんわかさわやかな読後感

ドキドキしながら読み進めると、昔と同じようにウルっとしました。以前と同じく感動し、作品の変わらぬ価値に少しビックリ。

自分が成長していないのか。いやいや、やはり作品に価値があるのでしょう!

ちなみに奈知さんは、水木しげる先生のアシスタントもされていたそうで、2人とも共通して「童心のあるタイプ」だと感じます。

 

②こいわ美保子のマンガ

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『真夜中のシンデレラ』 絵も綺麗で上手

今なかなか稀少らしく、しばらく5000円ほどの値をつけていたので手出しができずにいました(結局、3000円ほどで入手)。

「こいわ」作品の魅力は、小学生向けとは思えない大人な事情のマンガのところ。ストーリ-の構成が上手で、スリルがあり、ハラハラドキドキさせてくれます。

人間模様もゾクゾクと泥臭く、ドラマ化にうってつけな感じ。

【あらすじ】

ハーフの女の子「ルリ」(孤児)が、自分の幸せと権力をつかむために、身内や学校の友人・知人らを次々と殺害していく話。

最後にやっと心底愛する人ができるが、結婚式をあげる直前、結婚相手が実は自分の父と知らされる。

事実を伝えた祖母(ほぼ唯一の肉親)を幸せを邪魔する者として殺害。それを見た結婚相手(=父)は‥、というあらすじ。

 

これ本当に当時の小学生向けなの?」という。

今、大人が読んでも十分に面白いのです。残念ながら、こいわ先生は『真夜中のシンデレラ』と『天使の殺意』の2冊以外出版されていないようで、もっと書いてほしかった

今、どうされているのでしょうか?

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表題作『天使の殺意』はどろどろした人間関係が魅力の良作

「天使の殺意」に収録された『闇マリア伝説』も好みの話でした。

潜伏キリシタンの悪魔教版で、隠れ悪魔教の村不気味な村人や秘密の儀式主人公の娘を母胎とし悪魔が復活するクライマックスなどの設定にドキドキとしました。

 

中津賢也『黄門じごく変』

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『黄門じごく変』は文庫化されたものを購入した

 こちらも設定が好みな作品。

2人の高校生が、実は転生した天竜八部衆(仏法の守護神)で、人間界に出現した地獄界を旅し、敵・閻魔えんまを倒すストーリー。

弥勒阿弥陀帝釈天、閻魔‥、登場する神や仏にも魅了されます。

絵も上手で、主要キャラ「阿修羅」の色気は異常なほど。

閻魔を倒した後、閻魔をあやつった黒幕の正体が判明するところで終わるのですが‥。

続編描いてくれないかなほんと

 

諸星大二郎『夢見村にて』

こちらは昔読んだ作品ではなく、読んでなかった諸星大二郎作品キンドル版で購入。

諸星大二郎先生のものは、歴史・民俗をテーマにしたものが多く、設定と発想の妙、躍動感のある奇作揃いで、オススメです。

 

最後に(昔のマンガは高価で入手しづらい)

 

①②などはそうでした。

(①は1冊1000円近かった。「傑作集③」も欲しかったのですが、ものはないわ、高いわでしばらくムリそう。③はアマゾンで今見たら、2万という無茶苦茶な値段にされていました。いやいや、もっと安く買えるサイトもありますよ!)

意外と入手が難しく、高額にされてしまっている物もあるので、これからは場所をとっても古いコミックは手放さないことにしようと決意。

「また読みたい」と突然思いだして、その時入手に手こずるなら、もう置いといた方がいい。

 

「全ての芸術は幼心おさなごころの完成である」(稲垣足穂という言葉があるのですが、

小さい時に体験したもの」「手に入れれなかったもの」「なくしたもの」を人間は執着して追っていくというのはあるなぁ、と思います。

「若くして亡くなった母の面影を探す」「初恋の人が忘れられない」「はじめて付き合った人が忘れられない」なんていうのは、そういう類いで。

昔読んだコミックを、昔持っていたコミックを執着して再度手にいれようとするのも「幼心の完成なのかなぁ」と何となく思っています。

ということで、『昔のマンガをもう1度買うのは、高価でなかなか大変!』でした!

以上です、ではまた!