物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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『角度について私が知っている2、3の事柄~いろいろな角度』②【富士山】【ピラミッドの角度】【お城の石垣】【カラーコーン】【摩擦角】

前回ブログ『角度について私が知っている2、3の事柄~いろいろな角度』①の続きになります。今回は、「富士山の角度」「ピラミッドの角度」「とんがりコーン・カラーコーン」「摩擦角」などを取り上げています。

butuyokuko.hatenablog.com

⑧絵で見る『富士山の角度』と実際の角度

 

どこで読んだかちょっと不明なのですが、富士山の絵を想像で描いてもらうと、実際より高くシュッとした富士山を描く、ということがそこには書かれていました。確かに実際の富士山って、裾野を引いたどっしりとした姿をしていますもんね!

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実際の富士 Alpsdake /Link

太宰治富嶽百景の中で、「広重・文晁の富士山は84-85°位の頂角」「北斎30°位」。でも、実際の富士山は、東西は124°、南北は117°である、と書いています。

富士の頂角、広重の富士は八十五度、文晁の富士も八十四度くらゐ、けれども、陸軍の実測図によつて東西及南北に断面図を作つてみると、東西縦断は頂角、百二十四度となり、南北は百十七度である。広重、文晁に限らず、たいていの絵の富士は、鋭角である。いただきが、細く、高く、華奢である。北斎にいたつては、その頂角、ほとんど三十度くらゐ、エッフェル鉄塔のやうな富士をさへ描いてゐる。けれども、実際の富士は、鈍角も鈍角、のろくさと拡がり、東西、百二十四度、南北は百十七度、決して、秀抜の、すらと高い山ではない。

引用:太宰治富嶽百景』より

富士山の頂角をそれまで考えたことはなかったのですが、こうした絵との指摘を聞くと面白いなぁ、と感じます。

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北斎の富士山は鋭角  /Link

 

⑨ピラミッドの勾配

 

ピラミッドといえば、ギザのクフ王の大ピラミッド (BC2560年)が有名ですが、その勾配は51度(高さは146m。底辺は各辺230m。)でハリのある姿をしています

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クフ王のピラミッド  Nina -/Link

もう1つ有名な「屈折ピラミッド」(BC2600年頃)というものがありますが、

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屈折ピラミッド  Link 

こちらは、途中で勾配を変えてしまったピラミッドで、54度から43度に角度変更しています。この変更の理由は諸説あるようですが‥、

◯勾配が急で崩れる危険があったため、角度を変えた?

◯建造中に王が病気になり、完成を急ぐ目的で高さの目標を下げた、などなど。

こんなあからさまに角度を変えた理由、とても気になります。

 

最後にもう1つ。クフ王の父が建造した赤いピラミッド(BC2590年 – BC2570年頃)ですが、その勾配は43度(高さ104m。底辺218.5×221.5m。)

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赤いピラミッド   Ivrienenさん /Link

このピラミッドは、壁面が二等辺三角になった方錐形のピラミッド(一般的なピラミッドのイメージ)の初出ということで、それ以前は、階段型であったり、屈折にしたり、崩壊したりの試行錯誤の時期があり、ここから「真正ピラミッド」と呼ばれる(私たちのイメージする)ピラミッドが作られていくことになります。

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赤ピラミッドの平面図と立体図  MONNIER Franck /Link

古い順に並べると、①から③の順番となり、その期間は40年ほどです。

①「屈折ピラミッド」54°→43°

(この時期、51度のピラミッド崩壊。「崩壊ピラミッド」と呼ばれる。」)

②「赤ピラミッド」(43°

③「クフ王のピラミッド」(51°

いやぁ‥。当時の技術者にピラミッド建設の紆余曲折の苦労話をぜひとも聞いてみたいものです。

 

さて、ピラミッドについて書いたので、日本の中世以降の石垣に関しても。

日本の石垣は、初期の頃は垂直に近かったようなのですが、これでは崩れやすいため、勾配を持たせるようになりました。石垣の完成形は、お城建築のラッシュだった慶長頃(1596-1615)といいます。

完成形の石垣の勾配には一定のやり方があるようで、石垣構築の技術書が現在にも伝わります。*1

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犬山城(1537築城)の勾配(直線の勾配)

角度はそれぞれのようで、初期の頃は反りの無い直線の勾配。完成形の石垣になると、石垣の⅓位まで直線で、上にいくにつれて反りを持ち始めます。

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大阪城の反りのある石垣(1620-29改修)

大阪城の石垣など本当に美しく、こんなに反って威厳があっては、攻略しようなんていう気はあっという間に削がれたのではないか、と思うのです。

 

⑩「カラーコーン(パイロン)」「とんがりコーン

 

ちょっと似てるかな?と思って取り上げてみましたが、あんまり似てないかな?

両方とも頂角20-30°くらいでしょうか。

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カラーコーン  I, Katorisi, /Link

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とんがりコーン Link

とんがりコーンはつぶれた円錐形で、箱は六角柱形という面白い形をしています。美味しいだけでなく、形もいわくありげで、食べてると何だか想像を刺激されるお菓子。

 

⑪「摩擦角」

 

斜面の傾きを大きくしていくと、坂の上にある物体が滑り始めます。その角度のことを指しています。

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「力のベクトルの図」(N:垂直抗力 W:重力 F:摩擦力 角度(青):摩擦角)

SlaveOfExamさん /Link 

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Free-PhotosによるPixabayからの画像

(下山がものすごく苦手なのですが‥、もっと摩擦力を信じてみようかな?)

 

 ‥ということで、建築物などの角度をいろいろみてみました。続きは以下のブログとなります。

butuyokuko.hatenablog.com