物欲子(ぶつよくこ)のブログ

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(おもに)物欲ぶつよくの記

「鳳来寺山」(1425段の石段が素晴らしい。「鏡岩」をはじめ巨岩ゴロゴロのお山。ブッポウソーと鳴くのは?)(愛知県新城市)

11月、鳳来寺山ほうらいじさんへ行ってきました。奥三河のこの場所、愛知県民でも行ったことないという人もきっといるでしょう。

もともと巨岩の修験場であった鳳来寺山では、1425段の素晴らしい石段と幕府に庇護された鳳来寺東照宮を参拝することができます。

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①参道入口と「観来館」

 

JRを下車し、バスで鳳来寺へ向かいます。車窓の風景はもう長野ぽい感じ(愛知と長野は隣県)

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昔の鳳来寺駅前 ここから、参道が山へと続く

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昭和43年まで鉄道があった

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’奥平仙千代丸の墓’

参道入り口、目立つところにいきなりお墓があります。

これは、長篠の戦い(1575)で徳川に味方したため、13歳で磔刑にされた奥平おくだいら仙千代丸のお墓です。*1

このお墓向かいには、観来館みにこんかんという観光案内所があり、参拝前に予備知識をつけることができます。

鳳来寺山歴史文化考証館 観来館

鳳来寺山の観光案内所。歴史などの展示や登山ルートについても親切に教えてもらえる。

手作り土産なども販売中。

【営業時間】10時-16時(12-3月は15時まで) 

【休館日】火曜(12月-3月は月も休み)

【所在】愛知県新城市門谷木戸2-3

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最盛期の鳳来寺山ジオラマ
右上の巨岩が鏡岩(かがみいわ) 鳳来寺はその直下にある

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江戸時代には旅籠50軒。芝居小屋まであり、たいへん繁盛した場所であったという

さて、’みにこんかん’を出て、参道をひたすら歩きます。

ここから、石段を上るコースだと1時間30分位はかかります。

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参道奥にみえるのが鳳来寺山 風情のある山容

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参道には古い建物・社などが見られ、歴史を感じる

参道には、いくつかの彫像が置かれているのですが、下は若山牧水像。

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若山牧水像 体の中にあるのは酒びんか?

また、このそばには松尾芭蕉像や鳳来寺のお堂には種田山頭火たねださんとうかの扁額があったりと、江戸~大正に渡り、文人が参詣した場所だったんだなぁということが分かります。

牧水は「仏法僧」について*2芭蕉鳳来寺参詣が寒くて大変こたえたらしく、寒さを感じる俳句を、山頭火は一番楽しげな俳句をそれぞれ詠んでいます。

そして、1.2kmほどの参道を歩くと1425段の石段がいよいよ始まります。

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石段入り口

② 1425段の石段がすごい(伝・源頼朝の寄進)

 

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すばらしい風格のある石段が続く

わっ、愛知にこんなところが?です。「熊野古道の写真です」といっても通りそう。

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巨岩ゴロゴロ

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大きな岩に目を奪われる

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行者石像

鳳来寺は702年(大宝2)、利修りしゅう仙人による開山と伝わります(寺伝)

この利修仙人、309歳まで生き3匹の鬼を従え鳳凰に乗って空を飛んだといわれ、まるで奈良の「役行者えんのぎょうじゃ」のようなエピソードを持った仙人です。*3

また、鳳来寺のご本尊は薬師如来ですが、古いお寺のご本尊は薬師であることが多かったりするので、そうしたことにも歴史の古さを感じます。

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樹齢800年の傘杉(高さ60m) 
樹勢が少し弱っているため静かに速報を通過する

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上に登るにつれ、石段の幅が狭く、傾斜がきつくなる
怖い!

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途中にたくさんあるかっての院の跡

これら院(僧房)は今は跡地なのですが、決まって背後の崖が崩れていたりと、山の中に暮らすのも楽じゃなさそうということが窺えます。

さて小1時間かけて石段を登りきると鳳来寺。そして鏡岩を望むことができます。

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鳳来寺からの眺め

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鳳来寺本堂

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本堂と背後の鏡岩

鳳来寺が古来より信仰されたのは、この背後の鏡岩 の威容のせいでしょう。立派です。

高さ70m・幅250mで、本体は松脂岩しょうしがん化した流紋岩*4です。

「松脂岩」という名前は松ヤニのような光沢があることからでガラス質成分を含むのだそうです。この辺りはこの松脂岩の産出地で全国的に珍しいという話。

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本堂の隣りにある「東照宮

鳳来寺まで来ると人が増えます。これは山頂付近に駐車場があり、そこで降りて参拝する人が多いから(小1時間かけて、急な石段を登る人は少数派)

紅葉は例年11月20日過ぎということでまだ早かったのですが、 鳳来寺の美しい自然を求めて参拝する人が多くみられました。

この東照宮や本堂から、山頂(684m)へアタックすることもできるのですが、少しだけ危ない場所もあると聞いていたので無理しないことにしました(もともと修験道の山)。

 

重要文化財東照宮

 

建物は3代将軍家光の寄進で、本殿拝殿仁王門などが重文指定で色彩もよく残り、綺麗に保たれています。

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石段の途中にある仁王門(保存もいい)

もともと、家康の母・於大おだいの方(1528-1602)の尊崇が厚く、 「鳳来寺参籠の結果家康を授かった」という故事があり、

これに感激した家光が伽藍を整備し、東照宮を造営したといいます(1651年落成)

また江戸時代は、東照宮を参拝できる通行手形を持っている人のみが参拝できたそうで、「手形」の無いほとんどの人は東照宮下の石段から、東照宮を想像しつつ遥拝したとのだとか。

現代に生まれてよかったとホっとする話。

 

④ 「東照宮」のお守り・お土産

 

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(左)安産祈願のお守り (右)子孫繁栄のお守り

さて、東照宮で頂けるこれらの寅のお守りですが、何なのか?というと「童子という家康にちなむ玩具起き上がり小法師のおもちゃ。昭和30年頃~)からきています。*5 

ひょうきんな顔が可愛いものです。

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童子 引用:「三遠南信地域の徳川家康ゆかりの特産品」より

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高雅な雰囲気の「木霊守こだままもり」はご神木入り

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吊るし雛をモチーフにしたマスコット(1つ350円・観来館)

観来館で買える手作り吊るし雛は、まるで中世のお姫様の玩具みたいに思えるもの。

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蜂の絵のインパクトがすごい「酒まんじゅう」

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酒の風味がグワーっとくる美味しいおまんじゅう

この「酒まんじゅう」の蔵元・森山酒造さんは、元禄年間創業の古い酒造で、作られるお酒・蜂龍盃はなかなかの入手しづらさとか。

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横山良哲『愛知県の中央構造線

上は、中央構造線の話や鉱物愛にあふれた1冊鳳来寺自然科学博物館で)

 鳳来寺自然科学博物館 

【営業時間】9-17時 【休館日】火曜日 

【入館料】大人220円

鳳来寺参道にあって一見すると地味な博物館。

しかし、コノハズクや特に地質、鉱物・化石、中央構造線の展示が素晴らしい。

もともとこの辺りは地質・鉱物が豊かで鉱物マニアにはたまらない場所という。

 

最後に

 

というわけで、巨岩・鏡岩を始まりとし、豊かな自然、長い信仰の歴史を持つ鳳来寺山でした。

他にも紅葉、仏法僧、登山、鉱物、文人墨客とみどころたくさんの山で、行ってみないとほんとに分からないものだなぁと思った鳳来寺山でした。

興味のある方はぜひおでかけ下さい!

ということで、『鏡岩をはじめ巨岩ゴロゴロのお山』でした!は以上です、ではまた!

*1:武田の人質だった。後、徳川についた奥平氏に激怒した武田勝頼により、鳳来寺山麓で処刑。

*2:コノハズクの鳴き声で、「ブッポウソー」と聞こえることより。鳳来寺山は昔から、コノハズクの鳴き声がよく聞かれたらしい。愛知の県鳥に指定されている。

*3:7Cの伝説的山岳修験者。前鬼・後鬼を従え、空も飛べた。

*4:火山岩の1種。

*5:家康は寅年・寅の日・寅の刻に生まれたという伝説がある。