『可愛いお守り集めました!』(中部地方編)【力守り・毛谷黒龍神社】【早太郎お守り・駒ケ根市】【ひきゅうの牛鈴】【安眠健康枕守・大垣市】【行基寺・海津市】など
前回の『可愛いお守り集めました!』の続編で、今回は「中部地方編」になります。
中部地方は、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知の9県ですが、実際には、福井市、長野県駒ケ根市、岐阜県を取り上げています。
- ①『力守り』【毛谷けや黒龍くろたつ神社】(福井市)
- ②『常若御守』【佐佳枝廼社】(福井市)
- ③『早太郎お守り』【光前寺】(長野県駒ケ根市)
- ④『牛鈴』【伊吹山寺】(伊吹山山頂)
- ⑤『安眠健康守』【明星輪寺】(岐阜県大垣市)
- ⑥『お守り』【行基寺】(岐阜県海津市)
- 最後に
①『力守り』【毛谷けや黒龍くろたつ神社】(福井市)
「黒龍神社」は、福井市の中心・足羽山あすわやまの麓にある小さな神社です。
「くろたつさん」と呼ばれ、九頭竜川くずりゅうがわや水に関係する神社で、パワースポットとしても有名です。
「力」と書かれた、たった一文字が逆に力強い感じで、近年、有名な三峯神社(秩父市)の「氣守り」にも似ています。(カラーは、赤地に黒の「力」もあり)。
②『常若御守』【佐佳枝廼社】(福井市)
「佐佳枝廼社さかえのやしろ」は、福井城の西にある大きな神社で、その授与されるお守りの数の多さには驚くほど。
また、「佐佳枝廼社」という神社名。これで「さかえのやしろ」と読ませるのかというインパクトも強かったです。ちなみに、「さかえのやしろ」と命名したのは松平春嶽(しゅんがく・16代福井藩藩主)で、幕末の息吹が感じられる名前となっています。
写真右の「常若とこわか御守」は、ブレスレット型のお守りで、組紐にナツメ玉ぽい玉(木製)の組み合わせが少し珍しいものです。
また、常若という美しい名前も素敵だなと感じます(常盤木ときわぎ、常とこしえ、常夏、常春、常世とこよなど、「常とこ」のつく言葉の響きの良さがある)。
③『早太郎お守り』【光前寺】(長野県駒ケ根市)
こちらは、「早太郎はやたろう」という山犬のお守りです。「早太郎」という犬、聞いたことあるでしょうか?(もう1つの名前、「悉平しっぺい太郎」の方がは私はぴんときますが‥)
駒ケ根(こまがね・長野)では、早太郎。静岡県磐田いわた市では、しっぺい太郎と呼ばれ、実は同じ犬のことなのだそうです。
「強い山犬が、人身御供を要求する化け物(正体は老いたヒヒ)をやっける」という昔話は全国各地でみられるのだそうですが、話の中で「しっぺい太郎に知らせるな」と化け物自身が喋ってしまい、当のしっぺい太郎を連れてこられてしまう、というあら筋です。
早太郎は、妖怪ヒヒと戦って勝利するのですが、自身も力尽きることとなります。
光前寺のお堂の横には、その早太郎のお墓もあります。
こうした「早太郎物語」を聞くと、やはりお守りが頂きたくなります。
(光前寺には、他にも何種類かの「早太郎お守り」があり、また、早太郎の絵入り御朱印も頂けます。)
④『牛鈴』【伊吹山寺】(伊吹山山頂)
岐阜県だと思っていた伊吹山山頂ですが、実は岐阜県ではなく、滋賀県米原市になるのだそうです。もう中部地方じゃないことをお詫びしつつ、
伊吹山山頂(1377m)には、「伊吹山寺いぶきさんじ」という小さなお堂があり、登山記念にお守りを求める人で、登山シーズンはにぎわっています。
上の写真は、伊吹山寺で頂ける「牛鈴」のお守りですが、この鈴、中華街などで売られているものとちょっと似ている?(そっくり?)
この鈴は、もともと中国の邪気払いの鈴で、「貔貅ひきゅう」という想像上の猛獣を起こすために使われるものです。
「ひきゅう」(上海博物館) Mountain - CC 表示-継承 3.0,Link
このひきゅう、エピソードの宝庫で、出典はよく分からないのですが、色んな話があります。ちょっと拾ったたけでも、
◯ ひきゅうは天帝のペットで、可愛がられていた。
◯ 食いしん坊。金銀財宝しか食べない(特に現金が好き)
◯ 食べると眠くなるのか寝てばかり →だから、ひきゅうを起こすために鈴が必要
◯ 食べすぎてお腹を下してばかりいる →ある時、天帝がひきゅうの糞を踏んでしまって大激怒 →天帝がお尻を叩いたことから、腫れてお尻の穴が無くなった。
◯ お尻の穴をふさがれ、その結果、もらさず金銀財宝をため込むことができるようになった!→「財神」として信仰されるように。
‥掘れば掘るほど、色んなエピソードが出てくる愛されキャラ「ひきゅう」。中国での人気がうかがえます。でも、なぜ「伊吹山寺」で授与されていたのかは謎のままです。
⑤『安眠健康守』【明星輪寺】(岐阜県大垣市)
大垣おおがき市の北、金生山きんしょうざんにある「明星輪寺みょうじょうりんじ」で頂ける小さな枕(6.5cm×4.5cm)のお守りです(「サザエさん」の家にでも出てきそうな昭和感がいい)。
説明によれば、「寝れない人は自分の枕にこのお守りを入れて眠ると、幸せな夢がみれるよう祈願してある」とのことでした。
もう1色のピンク色の枕もとても可愛いらしく、記憶に残るお守りです。
⑥『お守り』【行基寺】(岐阜県海津市)
お守り袋の三つ葉葵は、高須たかす松平家の家紋*1で、通常の三つ葉葵の紋よりも、可憐で可愛らしい印象です。
カラーは赤・紫の2種。紫色も素敵でした。
このお守りの頂ける「行基寺ぎょうぎじ」は、揖斐いび川沿いの養老山系にある古い寺院で、高須松平家の菩提寺でもあったこの場所は、有事の際、山城としての使用も考えられていました。そうした立地のせいで、眺望は抜群。眼下の濃尾のうび平野を絵のように眺めることができます。
最後に
最初は、「ちょっと地味かな?」とも思った「中部地方編」でしたが、こうして振り返ってみると、どれも個性があって素敵なお守りだな、と思います。
行きづらい場所も多かったので、改めてありがたみを感じつつ‥、
『可愛いお守り集めました!』の中部地方編でした!以上です、ではまた!
*1:「高須三つ葵」「菊輪に三つ葵」。