「可愛いお守り集めました!」(奈良編)【東大寺のセミ】【唐招提寺】【長谷寺観音】【大神神社の勾玉】【天河神社】【吉野】など
「可愛いお守り集めました!」の奈良編です。
奈良は住んだこともある土地で、そのせいで収集が古かったり、おろそかになっているところもありますが、ゆるい目で見ていただけたら嬉しい奈良編です。
では、奈良らしく「東大寺」から。
- ①『心願成就お守り(セミ型根付)』【東大寺】
- ②「推古鈴」と「鈴守」【唐招提寺】(奈良市五条町)
- ③「結縁の五色線」【長谷寺】(桜井市)
- ④「子持勾玉守」【大神おおみわ神社】(桜井市)
- ⑤「五十鈴守り」【天河神社】(吉野郡天川村)
- ⑥「神鏡」【金峯山寺きんぷせんじ】(吉野郡吉野町)
- ⑦「乾坤通宝のお守り」【吉水よしみず神社】(吉野郡吉野町)
- 最後に
①『心願成就お守り(セミ型根付)』【東大寺】
東大寺では各種のお守りが売られていますが、この「蝉型の鏁子さす」(=錠の一部)は、さすが官営の大寺・東大寺と思う、珍しいお守りです。
モチーフは、大仏殿の須弥壇しゅみだん*1の下から発見された鎮壇具ちんだんぐです。*2
土中から現れるセミは、「再生」の象徴で、縁起物とするのは中国に由来しています。
この「セミ」も中国ぽいデザインで、8世紀の東大寺建立時の雰囲気が感じられる、珍しいお守りです。
②「推古鈴」と「鈴守」【唐招提寺】(奈良市五条町)
唐招提寺で頂ける、2つの鈴のお守り。両方ともとてもいい音色がします。
涙型の推古鈴は、彫金に金箔をはった工芸品で、ペンダントトップにするのもおすすめです(直径約2.5cm)。
音色は「チリリリ‥」と高い音がします(手作りで1コ1コ音が違うのだとか)。
ただ、頂いた時は金色でした!(だいぶあれからたったんだなぁと思うわけですが。)
もう1つの「鈴守」。唐招提寺の千手観音の持物の鈴に由来するのだそうです(形も模しているのかな?)。
コレ、本当にいい音がします。風鈴のような、優しいリーンという音色。
レジで、財布につけたこの鈴が「リーン」と鳴って、「いい音しますね!」と何度かいわれたことがあります。私の持っている鈴の中では間違いなく1番いい音色の鈴。
③「結縁の五色線」【長谷寺】(桜井市)
本尊「11面観音」の特別拝観の際、頂けるブレスレット状のお守り。
春・秋の特別拝観では、観音様の足元にさわって参拝することができるのですが、「観音様にお参りして結縁けちえんしてきたよ!」という証しに左の手につけてもらえます。
美しい長谷の観音様と「五色の糸」を通してつながっていると想像するだけで、嬉しいものです。デザインも色使いもとても美しいお守り。
④「子持勾玉守」【大神おおみわ神社】(桜井市)
まが玉のお守りは時々みますが、「子持勾玉」のお守りって珍しい。
三輪山山麓の禁足地から出土した子持勾玉を模したものということで、本物の出土品は大神神社の「宝物収蔵庫」で見ることができます。
祭祀遺跡が多くある三輪山 A photographer, /Link
⑤「五十鈴守り」【天河神社】(吉野郡天川村)
円の鈴が3つくっついた面白い形をしています。
「三環鈴さんかんれい」という大陸・朝鮮半島由来の鈴で、古墳の埋葬品としての出土があるのですが、天河神社では社宝として大切にされています。*3
5世紀頃だけにみられる限定品だそうで、やはり朝鮮の馬具だろうか、と思います。
実用的な形をしていますもんね。
また、内田康夫『天河伝説殺人事件』の中では、このお守りが小道具として使われました。
⑥「神鏡」【金峯山寺きんぷせんじ】(吉野郡吉野町)


まず驚くのはそのずっしりとした重量感。
重さは70g(!)あり、約6cm×4.8cmほどのサイズで中国風の外観。
由来を読むと、この鏡は西王母(せいおうぼ・中国の女神)が使う鏡の工人が伝えたもので、鏡にある5つの不思議なモチーフは、中国の5つの霊山を表しているのだそうです。*4
ということで、5つの霊山を常に手中にするかたちとなり、スゴイ魔除けであるというもの。道教や修験道の世界を感じられる大変インパクトのあるお守りです。
⑦「乾坤通宝のお守り」【吉水よしみず神社】(吉野郡吉野町)
吉水神社は⑥の「金峯山寺」の近くにある、南朝の後醍醐天皇を祀る神社です。
ここでも少し珍しいお守りが授与されています。それがこの貨幣。
「ケンコン(乾坤)通宝」?なんでしょそれは?ですが、「建武の新政(1333)」で後醍醐天皇が発行を決めたものの結局頓挫した、という幻の貨幣のようです(鋳造はされなかったらしい)。
「乾坤一擲」という好ましい熟語もあるし、なかなかいいネーミング。
最後に
というわけで、奈良のお守りをいくつかみてきました。
奈良は歴史が深い分、お守りにもそれが反映されていて、本当に珍しいお守りが多いな、というのが感想です。
たった1つの「お守り」から、どんどん歴史の事象がつながっていくのも何気にスゴイ。
また機会を作って行きたいなと思つつ、以上、『可愛いお守り集めました!』の奈良編でした!ではまた!