『梅沢富美男の美しさの秘密』【色気と純情】【メイク・立ち居振る舞い】【梅沢さん自身の考え方】
最近、梅沢富美男さんの昔の本を買いました。以前、メイク法が気になり、調べたこともあるのですが今回改めて、「梅沢富美男さんの美しさの秘密」を自分なりに考えてみました。
近年の「バラエティー番組」の梅沢さんも大好きですが、「女形」の特に若い頃の梅沢さんにすごく惹かれます(その美しい顔をいつまでもみつめていられるくらいに)。
この「梅沢富美男さんの魅力」はいったい何なのでしょうか?
今回入手した『下町の玉三郎・夢芝居』は梅沢さん、32歳の時の本です。
また、梅沢さんは「写真集」を何冊か出されていますが、その1冊が『梅沢富美男・写真集いちにん十色』です。
「梅沢写真集」の中では手に入れやすい1冊で、38歳のころの梅沢さんが撮られた写真集です。主にこの2冊から探っていきます。
「梅沢富美男の魅力」①【天性のもの】
①ぽってりとした下唇
②肉感的な肉付き
①②のほどよい肉付きは、「色気」のもとになる非常に大切な要素です。
(梅沢さんが「ギスギス細身」とか「ムキムキ筋肉質」であれば、だいぶ印象は違ったことでしょう)。
③「可愛らしい目」
今回、梅沢さんの素顔をじっくり見て驚いたのは、実は「タレ目」なこと。
可愛い「タヌキ顔」をされていることです。「女形」の写真を見ると、こちらは綺麗な「ツリ目」。
(すごい!タヌキ顔からキツネ顔にしている!)
これは、アイラインを目じりではねあげることで、キリッとした「つり目」にみせています。
④「愛嬌」や「茶目っけ」を感じる性格
梅沢さんは8人兄弟の7番目。末の男の子です。
梅沢さんに「愛嬌」や「茶目っ気」を感じるのは、大家族の末で可愛がられたせいかもしれません。
「梅沢富美男の魅力」②【メイク】
①下地
顔の下地は、舞台役者さんの「白塗り」です。
「❝白塗りに熱心になればなるほど顔全体がぼける❞」との発言もあり、「宝塚メイク」なども研究し、メイクをされているとのこと。
②「眉」
(ほどよく)太く、短く、引いています。
◯目の⅔くらいの太さ
◯目の端くらいまでの長さ
「眉を長く描くと老ける」ので、短くキリッと「娘らしいうぶな感じに」仕上げています。
◯「眉角」は10°位
目頭ー目じり間のラインと平行に引いています。
◯「朱(ピンク?)」を入れて、赤みを足す。
◯「2枚目男役」時のメイクは、眉角を20°位で長く引き、さらにキリっとさせている。
③「目張り」(アイライン)
◯上も下もクッキリがっつり入れる(囲み目)
◯目の端ははねあげる
◯アイライン( 目の下・目じり)に、朱(ピンク?)のラインも入れて色っぽく
④「鼻筋」はとおす(ノースシャドウ)
⑤「つけまつげ」
バサバサにつけている(「目張り」が濃い為、「ツケマ」がちょっとわかりづらい。)
⑥「唇」
おちょぼ口にする(ふちは濃く・中は薄く、濃淡をつける。1周り小さく描く)
⑦「横髪触角」
髪の毛を1本、顔の横にハラっと垂らす。縦のラインと動きをいれることで「小顔化」と色っぽさを演出(AKBと同じ)。
こうしてみると一般的なメイクと違い、色の多さはあまりない感じです。赤、黒、白を基本に「際立たす」メイクをされています。
「梅沢富美男の魅力」③【メイク以外の演出】
①額をせまくし「小顔化」
「女形」のカツラをつける際、眉のすぐ上に髪の生え際がくる位、極端な狭い額にしています。
徹底的に顔の余白を少なくし、小顔化。目・口・鼻に、視線を集中させています。
②「衣装」
ドドーンと豪華。(梅沢さんのお兄さんの方針:「舞台衣装と装身具は豪華に!」)
③「愛嬌」「ほほえみ」
(お兄さんいわく)「とにかく愛嬌さえあれば、色っぽさはお客さんが見つけて下さる」
(同)「舞台に出たら、いつも笑っていろ、女形は可愛いく、愛嬌があれば色気なんかあとからついてくる。だからワーッと笑って出ろ」
引用:『”下町の玉三郎”夢芝居』P85
④「表情」
「もの言いたげな風情」で、「純情な娘っぽさ」を。
「半開きの口」で、「色っぽさ」を。
⑤「立ち居振る舞い」
「女形」の動きを梅沢さんのお兄さんが教えるシーンがあるのですが、
「舞台に出たら、肩を落とすこと、腰を落とすこと、猫背にならないように背筋をのばし、あごを引くこと、そして三つ目に切ること*1」
引用:『”下町の玉三郎”夢芝居』P85
また「腰を落とす」時に、少し「腰を突き出すようにすると色っぽい」などは梅沢さんの観察によるものです。
⑤「欠点」を隠すこと
梅沢さんは、自分のことを「女形としては欠点だらけ」と書いています。
骨太、頑丈な体形、怒り型。足はガニ股、指は太い、などなど。
この欠点を隠すのは、やはり「お着物」ということで、体型のあらも隠せ、いくらでも華やかになる着物は、本当に優秀な「民族衣装」だと。
「指が太い」のは、「女形」としては致命的な気もしますが、こちらも、所作で美しくカバーされています。
「女形」や「女性」に対する梅沢さんの考え方
「ただきれいなだけではだめである。男の色気がないと女性のお客さんにはウケないのだ」 引用:『正論』p81
(なぜ綺麗なのかと聞かれて)「それは、僕が女性であることを意識しているからであり、また”こういう女だったら抱いてみたい”と思って演じている」 『正論』p81
「「美しい」は姿かたちよりも、立ち居振る舞いで作られる」
「女性を意識しなくなったら、女性は女性でなくなる。逆に、いつまでも自分が女性として見られているという意識を持っている人は、例外なく魅力的だ」引用:『正論』p144
◯「自己暗示」
メイク前には「すごい2枚目になるぞ」などと暗示をかけること。「顔は気持ちの持ち方で変わる」と。
◯美しくは見えるけれど「いやらしくない」こと。
◯「かっこいい女形」を目指している。
最後に
梅沢さんの美しさは単に「メイク」だけでなく、努力を重ねた総合美であることがよく分かりました。
「姿勢をよくする」や「立ち居振る舞い」だけでもだいぶと印象が変わるかもで、「気を抜かずにがんばろう!」という気持ちにさせてくれました。
タイトルにあげた「色気」と「純情」ですが、「女形」の梅沢さんを見て惚れ惚れするのはこの2つを感じるからなのだと思います。
もしかすると、この2つこそが「最高の女性美」だったのかと遅まきながら感じています。
長年、「女性」を研究した梅沢さんの到達点ならば、一理も二理もあると思うのです。
‥ということで、『梅沢富美男の美しさの秘密』でした!以上です、ではまた!
【補足】
梅沢さんは、オフィシャルブログをAmebaで書かれています。
2013年 5/2の『お待たせしました!』という記事で、「半顔メイク」の写真をアップし、その違いぶりやメイクが話題になりました(右側メイク、左側素顔の写真)。