奇妙な鉱物「ペグマタイト」が見たい!花崗岩とはどう違うのだろうか?(中津川市鉱物博物館)
ペグマタイトという聞きなれない名前の野趣に富んだ鉱物があります。以前にも出会ったことのあるこの「ペグマタイト」について今回はとりあげたいと思います。
中津川なかつがわ市の苗木なえきという場所はこのペグマタイトの3大産地ということで、たくさんの実物がみれるに違いないと「中津川市鉱物博物館」に行ってきました。*1
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①そもそもペグマタイトってなんなんだろう?
ペグマタイトの説明を読んでると何やら難しくて頭が痛くなるのですが、読み取れる大きな特徴は、
◯組成は花崗岩と同じ粗粒な岩石
◯中に空洞(晶洞)ができやすい。晶洞の外側がペグマタイト。晶洞の中には水晶・トパーズ・蛍石などが成長したりする、というもの。
しかし、これだけではイメージできません!実際のものを見にいってみましょう!
②「中津川市鉱物博物館」蔵のペグマタイト
中津川駅の北約8kmにあるこの博物館は、長島さん親子が収集されたコレクションを中心に1998年に開館しています。みどころはここに産する苗木花崗岩からのペグマタイトやその他苗木産の鉱物です。*2
ということで、館内に入ってみるとさすがはペグマタイトの産地!完璧な標本がいくつもあり、人もいないしで、石と自分だけの空間を堪能することができます。
左なんか、いかにも岩肌が花崗岩ですが粒の粗い結晶があることに気づきます。また右の写真の1番右、黒い水晶は苗木に見られる「煙水晶(黒水晶)」と呼ばれるもので、こうした色は苗木の放射線の作用によるといいます。
上の石に出ているマキビシのようなのはいったい何が成長したものなのか?左端からは大きな水晶が突き出したりで、何だかカオスです。
ペグマタイトは晶洞を持ち、中に鉱物が成長するという通り、晶洞の中に規則性を持ちつつ、結晶化した石が突き出す様は本当に不思議。
しかし、花崗岩と同じ素材のはずがなぜこんな姿に?という疑問がわいてきます。これについては展示の説明をそのまま引用して、
「ペグマタイトは、まわりの岩石と比べてひとつひとつの鉱物の粒が、とてもあらくなっているものをいいます。ふつうは塊や脈のようになっています。これは、マグマが地下深くで固まり、岩石(ここでは花崗岩)になる最後に、マグマの残液に水蒸気やフッ素、塩素などの気体が集まり、これらに富んだ残液がゆっくり固まるとあらい粒の結晶になるのです。空洞ができると、結晶も大きくなります。これを晶洞(ガマ)といいます。」引用:中津川市鉱物博物館の展示より
ということで、マグマが冷える時の状況による違いということになります。
③「ストーンハンティング」(水晶探し)
さて、素晴らしい標本を堪能したところで博物館前に出てみると「すいしょうひろば」という砂場があり、なんと!入館者は無料で水晶探しの体験をさせてもらうことができます。
砂場の砂利は、博物館裏山の水晶が出る場所のものということで、たしかに日があたるとキラキラと輝き、ヤル気を誘います。
水晶探しをしたいと館に申し出るとお皿と竹ベラを貸してもらえ、制限時間は30分。みつけた水晶を1個だけ持ち帰ることができます。
ということで私も水晶を探しますが、(本当に欲しいのは苗木の花崗岩!)
ちなみに小さな小さな水晶をいくつかみつけることができました(六角柱のタイプなど)。
写真では分りづらいのですが、キラキラとした表面の内側に空洞があり、結晶化した小さな水晶が顔を出しています。
これルーペで観察するとすごい面白いです。今まで晶洞の石なんか(アメジストとかの開運系の)悪趣味に思えていたのですが、どうやって鉱物が成長したのかが分かるのが面白いんだ!ということに今回やっと気がつきました。
最後に
さて、持ち帰ったこのペグマタイト(と思しき石)、水で洗い、ビニール袋にいれていたら、藻みたいなのが生えてしまいました!この花崗岩、中が空洞で水分を含みやすくしっとりとしているのでもっと入念に乾かすべきでした!
そして思ったのは、これが露天で水がしみこみつづけば内部からもろく、建材には危険な石なわけですが、
博物館のそばの苗木城にあった巨岩の石垣。あれはどうなんだろうなと。石垣には「危険」と注意喚起してあったけれど、確かにいつかは崩れそうな風情をしていました。
そうした疑問も含めこれからまた調べてみたいなぁと思いながら、以上、『奇妙な鉱物ペグマタイトが見たい!』でした!ではまた!
中津川市鉱物博物館
【開館時間】9:30-17時 【休館日】毎週月曜日
【入館料】330円(小・中無料)
【ウェブサイト】中津川市鉱物博物館/中津川市
【推理小説】『大雷雨夜の殺人』の殺人現場は名古屋のどこだったのか?
名古屋が舞台の殺人事件と聞いて、えっ、勝地の少ない名古屋のいったいどこで殺人が?と興味を持つ人も多いかと思います。
先日、その名古屋で起きた殺人を描いた、昭和3年発表の『大雷雨夜よるの殺人』(小酒井不木ふぼく・1890-1929)*1という作品を読みました。
この短編小説、犯人が判明するや2ページであっというまに幕切れになることにも驚くのですが、今回は殺人事件は名古屋のいったいどこで起きたのか?をみていきたいと思います。
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①『大雷雨夜の殺人』のあらすじ(簡単に)
8月のある夜、大雷雨のあった名古屋の町で殺人が起こります。
犯人と思しきしまうまの衣装を着た男が目撃され、門前中署の名探偵刑事が事件を追いますが、調査を進めるうち、被害者は記憶喪失のフィリピン帰りの男で、ある女性を探していたことが判明します。
シマウマ男は?記憶喪失の男の過去は?彼が探していた女性の正体は?、という内容なのですが、結末はさておき、ここで興味があるのは事件はどこで起きたか?ということです。
②「鶴舞公園で殺人」という思いこみ
さて、そもそも私が何からこの小説を知ったかというと下の本なのですが、
この本の60ページに、「『大雷雨夜の殺人』では鶴舞つるま公園が舞台になっている。」と書かれており、「あー、そうなの?」と思ったわけです。
この鶴舞公園、名古屋の人はほぼ知ってるであろう、明治42年(1909)開園の古い公園で、なるほどなるほど、小説の殺人事件など毎日起こってもおかしくないほどの広さと身を隠せる建物やカラスだらけの林などがある場所です。
ということで、「鶴舞公園で殺人事件」と思って読みはじめたわけですが、
鶴舞公園の記述は一切出てこず(あれ?)、予想に反して殺人は偕楽町・若葉町という場所で起こります。
えぇ、偕楽町??若葉町??(そんな地名あるのかな?)
この他にも紅山町とか聞いたことのない町名が出てくるのですが、時代は昭和初期。これらは昔の名古屋の町名なのでしょうか?
(しかし、あの本には「鶴舞公園が舞台」とあったし、鶴舞公園ふきんの町名?)としばらく悩んでいたのですが、やっぱり、どこで殺されたのか気になります!
というわけで、鶴舞公園の中にある鶴舞中央図書館で昭和初期の地図を見せてもらい、偕楽町を探したのですが、今度はそんな町名は存在しないことが判明!
うーん。この「偕楽町」、昔の歓楽街みたいなあってもおかしくない町名だと思ったけど、作者の創作だったのでしょうか?
そして「鶴舞公園が舞台」というあの一文は、結局のところ間違いであったと思うのですが、こう書かれたのは作者が鶴舞公園を舞台にした他の作品を書いているので、それと混同したのかなと思います。
「小説で読む名古屋」では、不木の他の作品の概要をみることができます。ここでは、名古屋が舞台の小説を一覧表にして紹介しているのですが、その量たるや驚くほどで心がちょっと折れたり。文芸作品からはご縁がなさそうな名古屋の町がこんなにも舞台になっているんだとか、鶴舞公園は登場頻度が多いなぁなど、みていると発見あり。
③その他のみどころ(少しだけ)
他にもこの小説に出てきた地名をみてみると、大津町(中区にあった町名)、門前署(中区にあった中警察署の前身)、大須・七ツ寺ななつでらの芝居小屋、本町のカフェーなど今につながる地名を拾うことができ、
そうした地名とともに昭和初期の名古屋の雰囲気が感じられて心ときめきます。
殺人とあまり関係ないカフェーのモダン・ボーイの痴態に長文をさいたり、境内の芝居小屋・見世物で縁日的に賑わったという大須観音の様子など、そこだけ読んでも面白かったり。
また朝鮮で人夫誘拐団に襲われ、フィリピンに売られるという身の上話や殺人が暴かれた後、関釜連絡船で高飛びしようとする犯人など、外地や海外が頻繁に出てくるのも時代だなぁ、いいなぁと思います。
最後に
ということで、『大雷雨夜の殺人』の殺人現場は名古屋のどこだったのか?をみてきました。
現場は、「偕楽町」という架空の地名(?)であったのですが、シマウマ男のいた大須からはそんなに遠くない設定なので、鶴舞公園ふきんは妥当と思えるし、文中に偕楽町・若葉町は以前盛り場だったとあるのでもっと大須寄りかとも考えられます。*2
今回は場所の特定はできませんでしたが、ご当地小説は土地勘があれば、話がググっと立体的に鮮明に浮かんできます。普通の小説を読んで感じるモヤモヤ感に疲れたら、ご当地小説いいかもねーです。
これを機に不木の他の作品を読んでみようかな?と思いながら、以上、『殺人現場は名古屋のどこだったのか?』でした!ではまた!
【参考】不木の小説が読めるのは、
◯『ふるさと文学館』(「大雷雨夜の殺人」を所収)
『ふるさと文学館』は各都道府県の作品がよめるシリーズ。図書館にあることも。
◯『小酒井不木探偵小説全集』本の友社 ほか
「京都の有名なお墓巡りがしたい②」(「秀次悪逆塚」瑞泉寺、「阿弥陀寺」)
前回ブログ、『京都の有名なお墓巡りがしたい』の後編です。
後編では、秀次の「悪逆塚」のある瑞泉寺、信長のお墓のある「阿弥陀寺あみだじ」の2つをお参りしています。
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①「瑞泉寺」(中京区)
鴨川・三条大橋のたもとによくみないと行き過ぎてしまうような間口の小さなお寺・瑞泉寺があります。
この瑞泉寺、豊臣秀次一族の菩提を弔うため、京都の豪商・角倉了以らによって創建されました。
このお寺のある場所こそ、1595年(文禄5)、自刃に追い込まれた秀次(1568-1595・秀吉の甥)の首がさらされた「秀次悪逆塚(殺生塚・畜生塚とも)」があったところといいます。*1
絵巻などでみると鴨川の中洲に2段の塚を築き、その上に西向きの石の祠があるのが見えますが、この中に秀次の首を納めたといい、境内の供養墓にその秀次の首を置いた「石びつ」が安置されています。
当初、この石びつには「秀次悪逆塚」の文字が彫られていたといいますが、’秀次悪逆’の字は角倉了以らによって削られ、現在では秀次が自害した「七月十五日」の日付が何とか読める感じ。
瑞泉寺にはこの「秀次事件」の展示があり、上は処刑された一族39人(妻など34人、子供5人)の辞世の句と姿を描いたもので、そうした展示ををみるとやはりこれは実際にあったことなのか!と衝撃をうけます。
瑞泉寺のパンフ・説明板には、処刑された順番までが載っており(子1、婦1など)、どんな気持ちで処刑を待っていたのだろうかと暗澹たる気持ちに。
市中引き回しにされた秀次一族は、塚の上に置かれた秀次の首が見守る中(命じた秀吉はとんでもないサイコパスでは?)、次々に処刑、遺体は大穴に放り込まれ、その上に先ほどの塚が築かれたといいます。
側室ら20人の実際に着ていた衣装で表装された「辞世の句」の掛け軸の衝撃!
2021年、刈谷市歴史博物館(愛知県刈谷市)で「豊臣秀次展」が開催され、2幅出展されていましたが、豪華絢爛な刺繡・色の鮮やかさは何百年という時を感じさせず、これまた驚きでした。
②阿弥陀寺(上京区)
さて、最後の阿弥陀寺あみだじですが、この阿弥陀寺、あの信長の骨を埋葬したお寺といいます。
あれっ?信長の遺体はみつからなかったのでは?と思うのですが、
『信長公阿弥陀寺由緒之記録』によれば*2、本能寺の変の際、信長と懇意だったこのお寺の清玉上人が本能寺にかけつけると、切腹した信長を家臣らが今まさに火葬にしようとしている場面であったといいます。
火葬と菩提を弔うことを引き受けた上人がそのまま火葬にし、骨を寺に持ち帰り、信長の墓所としたといいます。
その後、河原で休憩している明智光秀に許可をとり、本能寺・二条城で討ち死にした者らの遺体も合わせて引き取りますが、その中には信忠や家臣らのものがあったといいます。
こう聞いて、そんなに首尾よくいくものか不思議ではあるのですが、信長と阿弥陀寺の清玉上人が親しかったこと、本能寺の変の翌月にはお墓があったという記録など*3、ぜひ1度はお参りしてみたいお墓となっています。
最後に
ということで、京都の気になるお墓巡りをしてきました。
巨大な姿に圧倒される「耳塚」、大石段のその先の京都の町を見下ろす「阿弥陀ケ峰」、平安からの葬送の地・鳥辺野、秀吉の異常さを感じる「秀次悪逆塚」など個性のあるお墓ばかりでたいへん見ごたえがありました。
ちなみに、秀次の首はいつのまにか’悪逆塚’から移され、「善生寺」にお墓があるということなので、次回はそこもお参りしたいな、などと考えています。*4
というわけで、以上、『京都の有名なお墓巡りがしたい②』でした!ではまた!
【参考】
◯楠戸義昭『戦国武将「お墓」でわかる意外な真実』2017
「京都の有名なお墓巡りがしたい①」(秀吉の眠る「阿弥陀が峰」・鳥辺山墓地・耳塚など)
京都の有名なお墓巡りがしたい、ということで、先日、京都に行ってきました。
朝鮮の役の際の「耳塚」。秀吉の眠る「阿弥陀ケ峰」。行きたかった清水寺の下にある鳥辺山墓地。
また後編では、秀吉の甥・秀次の「悪逆塚」。信長のお墓のある「阿弥陀寺」と見たかったお墓巡りをしています。
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①巨大な塚はいったい誰の為?の「耳塚」
さて、京都駅で降り、崇仁などを通り、まず秀吉の眠る阿弥陀ケ峰に向かいます。
豊国神社を目指して歩いていくと、神社の前に有名な耳塚がどどーんと現れます。
この耳塚、慶長・文禄の役(1592~・1597~)で殺害した朝鮮人の耳・鼻を供養した塚で、その数2万人分だとか。
しかし、予想以上に大きな塚!上にのる五輪塔もビッグですごい威圧感!
地図で測ってみるとその幅22m以上。また上からみると円ではなく、八角のような形をしています。
周囲が驚くほど端正なのは大正時代に整備したせいで、八角にしたのもその時なのでしょうか?
【感想】秀吉のパフォーマンスを感じる巨大な塚。
1598年、完成したこの耳塚で秀吉の命により、盛大に「鼻供養」が行われたといいますが、巨大な塚やその盛大な供養は、自己の演出の1部だったのではないか、と思うと気味の悪さを覚える。
ということで、秀吉が巨大な物が好きという話は本当なんだな、と妙に納得しながら、今度はその秀吉の眠る阿弥陀ケ峰を目指します。
②秀吉の眠る「阿弥陀ケ峰」
京博の辺りから女坂を東へ登ると、豊国廟の二の鳥居が見え、登り口案内所がみえてきます。
登り口で100円を納めて、石段にとりかかります。
木々が鬱蒼と影をなし人気もなく、ちょっと怖く感じる参道ですが、565段ある階段の前半部分は踊り場部分が設けられ、若干登りやすくなっています。
けっこう階段がきつく、休み休み登ります。登り口の注意書きに「手すりがなく、街灯もないので夕方の参拝はやめましょう」とあった、あれは本当だな~と思ったり。
階段の最後は踊り場も消え、高所恐怖症の私は心の中で泣きながら、登りました。
さて、196mの頂上にある秀吉のお墓には超立派な五輪塔が建てられ、威容を放っています(高さは10mほど。設計は伊東忠太)。
大阪の役後、家康により、豊国神社・豊国廟は破壊されますが、明治に再興され、さきほど登った長い石段やこの立派な五輪塔はその時の整備によるもの。
そしてその整備の際、壺が偶然発見され、中には手足を組み、ミイラ化した秀吉の遺体が見つかったといいます。
自身の社殿・廟を破壊されたり、盗掘に遭い、副葬品を盗まれたり、石棺に納まっていたところ、いつのまにか壺に移しかえられたり、偶然発見されて遺体がボロボロにされたり、そうした秀吉の姿をイメージしつつ、頂上をぐるりと1周します。
木々の合間からは京都の町がみえ、やはりここから秀吉が町を守護しているように思えたり。また、お墓の背後からはさらに山の奥へ行けそうで面白そうなのですが、先ほど上がった階段を(心の中でまた泣きながら)、下ります。
さて、最初に登りはじめた「登り口案内所」がある場所こそ、かって壮麗な社殿があった太閤坦たいこうだいらと呼ばれる場所で、その隅には秀吉の愛妾・松の丸殿(京極竜子)と処刑された国松(秀頼の庶子)の供養塔がよりそうように置かれています。
それまで父に会うことすらなく暮らしていた国松が、会った数か月後には市中引き回しのうえ、斬首にされるというストーリーを思うと可哀そうでたまりません。
【感想】階段が大変。手すりもないし、年とったら、お参りできなくなるかもしれない。でも、京都を望める立地と人があまりいないのがとても魅力的な場所。
③清水の谷を埋める一面のお墓「鳥辺山墓地」「大谷墓地」
阿弥陀ケ峰をおり、今度はさきほど山頂からみえた清水の坂の下をめざします。
大谷本廟の北側の道ですが、観光客で混みあう産寧坂・茶わん坂とはまるで別世界。落ち着いた佇まいにホッとします。
うわーすごい!清水の谷を覆う一面の墓・墓・墓。そしてそこからみえる京都の町。
この上の清水寺や参道では今まさに観光客が生を謳歌し、坂下のこの道は千数百年来の死者を抱き続けるというものすごいギャップに少し頭が混乱します。
【感想】時間や空間を考えたり、空に浮かぶ雲のようにあっというまに消え去る存在なんだなという切ない気持ちやいろいろな想念の浮かぶ場所。
さて、「鳥部野とりべの」という古来有名な京都の葬送地は、もっと広範囲をさしたようですが、現在の鳥辺山墓地・大谷墓地もその中に含まれます。今あるお墓は江戸時代以降のもので、墓石の銘など江戸のものが多くみられました。
そして、その下には平安時代以来の骨が土と一体となり、きっと谷を埋めていることでしょう。
最後に
というわけで、見たかった京都の「お墓巡り」をしてきました。人がいない場所を行く、静かな京都旅行です。
後編では、豊臣秀次の「悪逆塚」(瑞泉寺)、信長のお墓のある「阿弥陀寺」(京都市上京区)を載せる予定です。ということで、以上です!ではまた!
個人的に面白いもの・かわったもの。それ要るのか?雑貨など総集編②【2021年購入】
先回ブログの後編です。今年増えた、個性ある雑貨たちを載せています。
下記は前回ブログです。
- ①「サトーココノカドー」のエコバッグ
- ②バラバラ分解・インドスィーツ「ソーンパプディ」
- ③赤ちゃん用とはとても思えないゴツい飴「幽霊子育て飴」
- ④絵がホラーすぎて眠れなくなりそう「ダニがホイホイ」
- ⑤百鬼夜行柄の「アロハシャツ」
- ⑥くまちゃんのお酒「ポンエペレ」
- 最後に
①「サトーココノカドー」のエコバッグ
『クレヨンしんちゃん』を視ていた人は、「サトーココノカドー」と聞いてきっとピンとくるのでしょう。
しかし、全くみてない私はヨーカドーでこれを見て、「クレしん」とはまるで知らず、欲しくなりました。
(後でタグで気づいたけど、ヨーカードーのパロディ商品と思っていた。)
空を覆って飛ぶ’コウモリ’の大胆なデフォルメ。しかし目立ちすぎずと、とても気に入っています。
『クレしん』を知らないもののこれ以後、そのデザイン性に開眼。チェックするように。しんちゃんのパジャマ柄なども可愛いです。
【満足度】★★★★(白いエコバッグは汚れやすく、持ち手がうっすら汚れてくるのみマイナス)
【サイズ】14.7×31×61cm 【価格】(amazonで)718円
【買った場所】ヨーカードー(現在はamazonなどで)
②バラバラ分解・インドスィーツ「ソーンパプディ」
ソーンパプディ?、何だそりゃですが、インドの伝統的砂糖菓子なのだとか。
インドのスパイス香るふわふスィーツということで、不思議の国インドの食べ物にそそられ、買ってみました。
さてパッケージを開けると、ソーンパプディが長方形の固まりで入っています。
まず切るのがめんどくさい!しかも、バッラバッラになってしまうという。
「!」(食べ方が間違ってるんかコレ?)と自分を責める気持ちに。
うーん、食べづらい!食感は想像通りのパサパサ。ほどよい甘さのパサパサ砂糖菓子という感じ。確かにスパイスの香りがインドぽいっけど。
向こうの人はどうやって食べているのか、動画などで調べてみたらよかった?
【満足度】★(味は人好き好き)
【価格】450円 【容量】約250g 【買った場所】amazon
【原材料】砂糖、ギー、ひよこ豆、カルダモン、アーモンド、ピスタチオなど
③赤ちゃん用とはとても思えないゴツい飴「幽霊子育て飴」
先日、京都に行った際、「幽霊子育て飴」を買いました。そうそう、妊婦だった幽霊がよなよな自分の生んだ子供のために買いにきたという、あれです。
パッケージを開けるとこうした四角い茶色の飴が入っています。
試しに1個のサイズを測ってみると、2.5cm×1.5cm×1cmという感じ。
でかい、でかすぎる。口にいれると角が口内に当りゴツい。もちろん溶けるまで相当時間がかかります(飴じたいは美味しい飴)。
このゴツい飴を赤ん坊に食べさせたのでなく、お母さん幽霊が精をつけるために食べたというならまだ納得のいく感じ。
江戸時代以前からある食べ物を食べられるのはとても嬉しいのですが、現代版に食べやすい半分サイズにしたり、170g1包ではなく、お土産に配れるように小分けにしたらいいのに、とちょっと思ったり。
【満足度】★(味は人好き好き)
【価格】500円 【容量】170g
【買った場所】「みなとや子育て飴本舗」(京都市東山区轆轤町東入ル西・10時-16時)
みなとや幽霊子育飴本舗 – 450年以上続く日本一歴史ある飴屋
④絵がホラーすぎて眠れなくなりそう「ダニがホイホイ」
よなよなベッドでお菓子を食べる旦那さんがダニに刺されるというので、ダニ除けグッズを買いにいきました。
気になっていた「さよならダニー」を買うところ、店頭でみかけたこの「ダニがホイホイ」のホラーっぷりに目が点に。
伸びる手も真っ黒なダニも、やたら大人びた赤ちゃんの顔まで怖い!
子供だったら、トラウマになりそうなこの商品、2021年の記憶に残る商品となりました。
【満足度】★★★★★(ダニにさされなくなった)
【価格】767円 【買える場所】ドラッグストア、ネット
⑤百鬼夜行柄の「アロハシャツ」
ネットを見ていて、たまたま目についたこの男物のアロハシャツ。
百鬼夜行のデザインが動的で、造型もみればみるほど素敵。着るかどうかは分かんないけれど、値段が激しくオフだったので買ってみました。
さて、実際に物が届いてみるとこのアロハ、男物なので当然、ぶっかぶっか。しかも生地が化繊で風を通さないし、夏には暑苦しくてとても着れないなぁ、というものでした。
あっ、また無駄なものを買ってしまった?とも思ったのですが、プリントは写真通り素敵でした。魔改造を加えたり、裁断して何かに転生させようかと考え中。
【満足度】★★(アロハなのに涼しくない)
【価格】2969円(現在は3650円)(定価8800円)
【カラー】白・黒・紺の3色 【買える場所】amazon
⑥くまちゃんのお酒「ポンエペレ」
くまちゃんのお酒「ポンエペレ」は以前、北海道でみかけて気になっていたもの。
今年の年末年始用に取り寄せてみました。
箱を開けると、存在感のある熊の酒器が入っています。
ポンエペレは、アイヌ語で「仔熊」の意味なのだとか。
頭が取れて、盃になるとは知らなかった!1人晩酌にいい感じ、なんか侘しさにも凄みが増しそう。
さて肝心の味ですが、かなりの辛口で、寒い日に飲むと胃にきゅーときます。
【満足度】★★★★(珍しい。唯一無二の酒器)
【製造元】福司酒造(北海道) 【価格】1540円(2021年12月現在・amazon)
【サイズ】15.7cm×11.6cm×9.9cm
【内容量】300ml 【アルコール度数・風味】15度・辛口
最後に
ということで、今年ブログに上げなかった細かい雑貨などを取り上げました。
それ要るの?というものを買い、一人悦に入るのも気力・体力がないとできません。
物欲すら、年々衰退傾向だなと思うのですが、来年また雑貨を、それもいぶし銀のように渋いのを紹介できるようがんばりたい!と思っています。
というわけで、本年度、みて下さった方本当にありがとうございました!よいお年を!
ではまた来年!
下記ブログでは、2019年に集めた雑貨などを紹介しています。今とだいぶ違うティスト。
【書籍】『中世ふしぎ絵巻』の不思議なイラストとその内容とは?【中世の怪異譚】
先日、気になっていた、『中世ふしぎ絵巻』というまるで絵巻のような本を買いました。
なかみが想像しづらく、タイトルの怪しさ、表紙のイラストとともに???だったのですが、今回はこの本の内容について書いてみたいと思います。
①絵巻ぽいイラスト
この本の珍しい点は、まるで絵巻のように、長方形の見開き画面(横約51cm×縦15cm)に中世の怪異譚をイメージした絵が広がるところで、全27話の全てにこうした見開き絵を収録しています。
そのぶん、値段も3200円(税抜)と少しお高め。
この絵巻本の最大のポイントは、やはりこの挿し絵が好みかどうか?という点にある気がします。
なんせ本の半分が絵なのですから!
このイラスト、明るい色づかいのたいへん可愛らしいものなのですが、昔の絵巻物をイメージしていた私にはちょっとポップすぎる印象でした。
この数枚の写真では絵のニュアンスは伝わりにくいと思うので、興味のある方はぜひ実物を!自分もアマゾンのレビューの写真でしばらく悶々としておりました。
②『中世ふしぎ絵巻』の内容
さて、絵巻本の内容ですが、旅の月刊誌『ひととき』に絵とともに連載されたものをその後、出版したというもの。
【著者】西山克 【絵】北村さゆり
【発行】株式会社ウェッジ(2017年)
文章のほうは、日本中世史などが専門の先生が書かれているので、なかなかの読み応え。
その分、絵が挿まれるといい具合に気がゆるみ、また1枚の絵が話の全てを表しているので、怪異をイメージする手助けをしてくれます。
収録された27話は、おもに日記や文献、また物語・説話集などから採られた中世の不思議な話の数々です。
例えば、神殿の柱に「金花・銀花が咲いた」とか(正体は昆虫の卵)、山だのお墓だの器物まで鳴る鳴動の不思議や、いん石に彗星・人魂などの「光りもの」の話。
頭が猫、胴体が鶏、尾が蛇という色々合体した怪鳥が出現したり、定番・狐の怪に、馬がしゃべるなど動物がらみの怪異。
また、将軍家の室町御所で家鳴りがし、巨大な妖物が現れてついには人の頭を食べた、という恐怖事件などなど。
この他にも、川湊に居たという遊女集団や吉田神道を作った吉田兼倶(かねとも・1435-1511)の話。中世には「虹が立つと市を開いた」という故事など、いかにも中世ぽいお話が続きます。
③個人的な感想や発見
こうした「中世100%の話」を続けて読み進むうち、ほんのちょっぴり頭が’中世脳’になっていく気がしました。
この本でも取り上げられている、器物の怪をモチーフにした『付喪神つくもがみ絵巻』ですが、「なんで器物の霊なんだろう?」とどこか不思議な気持ちがしていたものです。
しかし読んでるうち、昔は今と違って家財なんか100年ものとか、壊れなかったら200年とか、とんでもなく物持ちがよかったのかもしれないな、と。
そんな古色蒼然とした長持ながもちだの、いつからあるのか分からない盥たらいだの、家にある家財にはけっこう不気味なものがあったんじゃないか?という想像もひょっこりと浮かんできました。
また、『春日権現験記かすがごんげんげんき』という春日明神の霊験を描いた絵巻についても書かれているのですが、
下の竹の上にいる美しい女性が春日明神で、「なんで竹の上にいるんだろう?」とこれまた不思議に思っていました。
『春日権現験記』は、この「竹の上に静止する異常」をはじめとして、ゾクッとさせられるカ所のある絵巻。
この絵巻にふれた本文で、
「中世を生きた人々は、その竹のしなりのうえに聖なるものが乗っていると考えた。」
引用:「竹林の女」86Pより(『中世ふしぎ絵巻』所収)
とあり、(あー、そういうことなのかー)と目から鱗でした。
竹林の中のあの葉のざわめき・竹のしなりに、心がざわめく・妙な胸騒ぎを感じる人は私の他にもいるのではないかと想像をするのですが、
中世の人ももしかすると同じ気持ちではなかったのか?と。
最後に
ということで、『中世ふしぎ絵巻』の内容をところどころみてきました。
この本の大きな特徴の「絵」は、人好き好きかと思います。また、本文中の「中世の怪異譚」は文献から、丹念に描写をされています。
こうした怪異譚は、いっけん荒唐無稽すぎて、これまで読み流してしまうことも多かったのですが、その裏に潜む人間の姿があることをこの本では示唆してくれています。
怪異の羅列の背後にあるもの、そこに人間の意図がないかじっくりと考えてみること。この本が教えてくれたのはそうした丁寧にものを視る視点だったと感じています。
テキトーに流さずちゃんと読もう!と思いながら、以上、『中世ふしぎ絵巻の内容とは?』でした!ではまた!
個人的に面白いもの・かわったもの。それ要るのか?雑貨など総集編①【2021年購入】
今年増えた雑貨で、ブログで紹介しなかった、個人的に面白いもの・かわったもの・しょーもなかったもの・それ要るの?という雑貨などをまとめて載せました。
2021年のふり返り雑貨たちです。
- ①また増えたのか、の「カゴバツグ」
- ②手のひらサイズの「おひなさま」
- ③闇夜に飛び交うホタル柄・漆黒の「風鈴」
- ④月に吠える「オオカミ皿」
- ⑤衝撃の「おたべグミ」
- ⑥なんでそれ買った?の「蓮ランプ」(仏壇用仏具)
- 最後に
①また増えたのか、の「カゴバツグ」
カゴが好きすぎて、以前にもブログに書いたことがありますが今年も順調に増えております。
今回もベトナム製、お花模様のプラかごを購入。あみ目のデザインが可愛いのとカラフルな色あいが目をひくものです。
このベトナムプラかご、流行っているのか持っている人を何度かみかけました。
さてこの籠、値段相応のやぐい造りで重い物を入れての外出は不向き(持ち手のつけ根がいかにもダメそう)。というわけで、現在は家の中で服入れになっています。
【満足度】★★★★ 安くてペラペラでかわいい。いいんじゃない?
【値段】1580円 【買った場所】yahooショッピング
【サイズ】36cm×10×25
②手のひらサイズの「おひなさま」
’年中行事なアイテム’に弱いっ、弱すぎる。というわけで、こちらも今年も順調に増加中。
中でもササっと飾れる小さなお雛さまはいつかは欲しかったもの。
こうした小さなお雛様は今、若い世代や1人暮らしの女性などに人気と記事で見ました。世の中そういう流れがあるみたい?
ちんまり可愛いおひな様(女雛のサイズ:幅約6cm×高さ5.5cm)。
【満足度】★★★ まずまず。顔がもっとニッコリだともっといいかも。
【値段】3100円 【買った場所】AMAZON
③闇夜に飛び交うホタル柄・漆黒の「風鈴」
おひな様と同様、季節の風物詩’風鈴’。こちらもいつかは欲しかったアイテム。
今回購入した木之本漆器店さん(会津・喜多方市)には、花や金魚など素敵な柄やいくつものタイプの風鈴がそろっていて迷いましたが、今回は蛍の柄を選択。
そのほたるも闇夜verとクリアーガラスverのものがあり、どちらも甲乙つけがたかった。
【満足度】★★★★ しかし、ご近所のことを考えると鳴らせない。見るだけだったりして。
【値段】3080円 【買った場所】楽天
④月に吠える「オオカミ皿」
こちらは、たまたま寄った雑貨屋さんでみつけたもの。オオカミ柄の食器なんて、ちょっと珍しい気がしたものです。
面白い質感と色合いのお皿でかなり軽い。練りこみの器というと、もっと混ぜ混ぜしたものをイメージしますが単色でシンプル。こういうのもあるんだ、と少し驚いたり。
このお皿を作られたのは田中ちあきさんという作家さんで、動物やお花モチーフなど可愛く愛嬌のある器を作られています。
田中ちあきの練り込みの器 - 力丸雑貨店 作家の器(うつわ)と雑貨のセレクトシップ
以前買った「怪獣の器」とも合う感じ。
【満足度】★★★★ 個性を感じる器。また練りこみのため、1個1個のデザインが大きく異なるのも特徴。
【値段】4000円くらい? 【サイズ】直径15cm
【買った場所】「日々 nichinichi」という雑貨屋さん(JR安城駅前)
⑤衝撃の「おたべグミ」
最初、店頭で見た時の「なんだ?これ?」の衝撃。
京都じゃないのに「おたべ」が食べれるお得感。賞味期限が気にならないのもヨカッター。
そして食べて意外な美味しさに再度びっくりした、今年の記憶に残る1品。
この小さいのが1個50円と思うと割高だけど、おもしろ美味しいのでリピート買いしてしまう。
【満足度】★★★★★ 【買った場所】スーパーなど
⑥なんでそれ買った?の「蓮ランプ」(仏壇用仏具)
どこか異国的で、ピンクの光に癒される’蓮ランプ’は気持ちが高揚する雑貨。
以前、こうしたランプをインド雑貨のお店で買ったことがあるのですが、改めて探すとお仏壇の仏具ばかり出てきたりで(ううっ)となったり。
結局、これだという商品はみつからなかったものの、期待買いで買ってみました。
うーん。こっ、これは台の上にちょこんと100均の造花を載せただけではないかっ。
しかも、「御先祖様も喜びそうです」というレビューに(そんなにいいものなのかな?)と思わず買ってしまった私はだいぶ間が抜けている。
【満足度】★★ まぁ、いっかである(もとが100円+αくらいなのは微妙だけど。)
【値段】3480円(2個入) 【買った場所】AMAZON
最後に
ということで、2021年の雑貨の振り返りでした!
続きは下記になります。
【絶景】木曽川の作った巨大な中洲の町に感動する(三派川地区)(岐阜県・各務ヶ原市川島)
木曽川に周囲を囲まれた中洲に、その名も’川島かわしま’という町があります。
お隣の一宮市の138タワーからは、その川島の町の全貌をみることができ、現れる巨大な中洲の姿に思わず声が出てしまうものです。
そして現在のこの川島の光景は、’三派川’さんぱせんと呼ばれる木曽川の流れを分流した大正~昭和の治水事業によって成ったものです。
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①中洲の町・川島
下の絵の、ざっくり‘みどりの丸‘で囲んだ地域がかっての川島町(現在は各務ヶ原市川島)で、2つの大きな島が確認できます。
下の大きな島が川島本島で、上の小さな島が笠田かさだの島です。
北側を流れる細い北派川ほくはせんと南を流れる同じく細い南派川なんはせん。幾多にも分流していた木曽川の流れをまとめた工事の結果、今のようなシンプルな川筋となりました。
ちなみに明治の姿はどうであったかというと、
当時は、たくさんの島の集合体。まさに川中島で、往来には船が必要でした。
そしてこの場所、江戸時代、南側(愛知県側)に’御囲堤’おかこいづづみという堤防を作ったことも要因となり、この岐阜県側は洪水多発地帯となっていました。
この網目のような木曽川の流れを治める治水事業は、明治より行われ、大正~昭和の工事で完成をみることになります。
②138タワーからの眺望
さて、実際の138タワーから、巨大な中洲をみてみます。
手前の川が南派川、奥に見えるのが木曽川本川です。島にかかる幾本もの巨大な橋。中洲の中にはたくさんの家並がみえます。すごい巨大な中州です!
いったい木曽川のような大河の中州に人が住めるものなのか?
中洲の大きさとそこに作られた町の大きさに驚く光景です。
上の写真でも中洲に人家がびっしり。そして、町をしっかりと堤防が囲んでいるのがみえます。巨大な輪中わじゅうです。
ちなみにどれくらいの人が住んでいるのか調べてみると、川島地区の人口は約11800人(R2)と、結構な人口。
下の写真では、愛知県側(尾張側)に作られた’御囲堤’がこんもりと続くのが見え、一見のどかな風景ですが、江戸時代に築かれたこの堤は美濃側へ水が流れる要因ともなっていました。
かっての不均等な洪水では、’川島にあった島がいくつか消えた’といいます。*1
’御囲堤’は上の図のように、現在でも高さのあるしっかりとした堤防として残っています。
②木曽川の暮らしがよくわかる資料館「木曽川文化資料館」
さて、木曽川の暮らしや歴史、治水のことがわかる’木曽川文化資料館’という施設があるので見学させてもらいました。
この川島会館の4階が’木曽川文化資料館’となっています。
ちなみに会館の向かいは木曽川と岐阜城が見える素晴らしい立地。
資料館の入り口です。今の川島のジオラマがあって、分かりやすいです。
展示では、川島には美濃と尾張の様式が入り混じった独特の文化が形成されていたこと。輪中の砂地で米作ができず、生業は漁や養蚕、織物であったことなど、地形からくる地域性を知ることができます。*2
さて、木曽川の川筋の変化が図示されているのですが、右下の‘鎌倉・室町’の流路なんて、まさに蜘蛛の巣!(網状流路というらしい)
1585年(天正13)、木曽川は大洪水で流路を変え、美濃と尾張の国境まで変えてしまいますが、左下の天正14年は、洪水後の流路です。
時代順に貼ってみます。
大河’木曽川’がまるで生き物のように変化をしていることが分かります。
③中洲(川中島)について思うこと
ということで、国内でこのように大きな中州の町に居住する例は他にあるのだろうか?と思う川島についてみてきました。
中州の町と聞いて思い浮かぶのは、博多区’中洲’や大阪’中之島’ですが、両方とも巨大とはいえず、ほどよいサイズ(博多の中洲の長さは約1km)。
対する’川島本島’の長さは8kmほどで、端から端まで歩くのも一苦労の大きさ。*3
しかし実は、日本最大の中州といわれるのは、四国・吉野川にある’善入寺島ぜんにゅうじとう’という中洲で、本島以外にも多くの川中島を従え、こちらは昔からの川の流れを伝えています。*4
でも、個人的には今も木曽川とともに人の暮らす’川島’を押したい気持ちでいっぱいです。
最期に
ということで、138タワーから見る木曽川の雄大な流れとそこにできた巨大中州の町’川島’をみてきました。
正直、138タワーの’連れてこられた宇宙人’みたいなビジュアルがイヤだったのですが、
もう「川島をみるために作られたんじゃないか?」という立地にあるので、巨大中洲を見て感動したい方にはぜひ、ここから見ることをおすすめします。
というわけで、『木曽川の作った巨大な中洲の町に感動する』でした。以上です、ではまた!
【営業時間】9:30-17時
【定休日】毎月第2月曜日
【料金】おとな500円 こども200円
◯地上138mの眺望が楽しめる。タワー下は木曽川沿いの公園となっており、バラ園、子供用の遊戯施設、樹冠タワー、猿尾堤などカオスな施設がそろう。
ちなみに、このタワーの曲線は双曲線がモチーフなのだとか(ヘー)。
138タワーを逆さにし、y=ax2 の値を求める問題を作る先生もいたりで、そういう目でみると面白いタワーである。
【世界1可愛い缶?】メリーゴーランドのデザインが素敵すぎる『マジカルカルーセル缶』(チャーチル社)
チャーチル社というイギリスのお菓子会社に可愛い缶のシリーズがあります。
特に『マジカルカルーセル』という美しいメリーゴーランドの円形缶のみためはもう完璧。世界1可愛い缶の1つではないかと思うものです。
【価格】定価3000円(AMAZONで2424円・2021年11月現在)
【商品サイズ】(高さx奥行x幅):16.5cm×12.5cm×12.5cm
①実際の缶
実際の缶をみるとエンボス加工がされ、立体感があってとても華やか。
一面びっしりと缶を覆う華やかなデザインは、まるで別世界です。
缶のサイズはこぶりなホールケーキくらい。
存在感抜群なので部屋の飾りにもなるし、収容力もあるので、食べ終わったら、お菓子入れや化粧品入れとしても使えます。
さて、この素敵な缶の中には何が入っているかというと、トフィーとファッジというお菓子がはいっています。
実をいうと中身には期待してはいなかったのですが、食べてみるとかなり甘いものの、濃厚でとても美味しいお菓子でした(ヴェルタースオリジナルみたいな味)。
このトフィーは、シロップやバターを煮詰めたキャラメルのようなお菓子で、
ファッジの方はすごく柔らかく、さらに濃厚で、同じくソフトキャラメルといったもの。
すごい違いがあるわけではなく、2つとも似ている。
②チャーチル社
さて、この美しいお菓子缶を製造している’チャーチル社’は、1984年の設立と思ったより新しい会社。
この「カルーセル」の他にも気球、観覧車、ロンドンの時計台など個性的な缶を製造していて、そのどれもが美しく、実物を見てみたくなるようなものばかりです。
チャーチル社は、1984年 英国のロンドン北部に設立されました。創業以来、クオリティの高いトフィー、ファッジ、ビスケット、キャンディを、まるで芸術作品のように美しい缶に包装し、世界各国に輸出しております。すべての缶は、デザインから製造まで心をこめて丁寧に行われており、家族や恋人へのプレゼントや、季節の贈答品として最適です。
- 引用:チャーチル社の説明より(宝商事)
上は同じく「カルーセル」だけど、図柄違い。
【価格】2147円(AMAZONで)(2021年11月現在)
【サイズ】125mmx125mmx155mm
輸入元の’宝商事さん’のHPでは、これ以外のチャーチル社のお菓子の缶をみることができます(下記)。
また、チャーチル社ではないですが、同じくカルーセルでオルゴールつきの缶もあり、そちらも素敵です。
下はウィンデル社(独)の「クリスマスカルーセル缶」(2700円)。ほかにグランマワイルズ社(英)などがある。
最後に
ということで、今のところ、世界1美しい缶ではないかと思う『マジカルカルーセル缶』を紹介しました。
日本の缶は単に可愛いものが多いけれど、ヨーロッパのは成熟した洗練された魅力で、文化が違うな〜と感じます。来月のクリスマスプレゼントにも良いものだと思うので、興味のある方はサイトでも覗いてみて下さいな。
ということで、『世界1可愛い缶?』でした。以上です、ではまた!
下記ブログでは、可愛い缶の紹介しています。
【謎】「愚痴聞き地蔵尊」がなぜか全国各地にある不思議(名古屋市名駅・桂芳院)
名駅めいえき前に「愚痴聞き地蔵尊」という、耳に手をあてた姿でお話を聞いてくれるお地蔵さんがあります。
ここだけかと思いきや全国にあるようで、名古屋・桂芳院さんの愚痴聞き地蔵とそうした不思議について書きたいと思います。
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①「愚痴聞き地蔵」(桂芳院)
ここには愚痴聞き地蔵ののぼりがあるので、そうしたお地蔵さんがあることは知ってはいたのですが、
上の写真のお地蔵さんがそうなのかと長い間勘違いをしていました。
愚痴聞き地蔵は実はお寺の境内に中にあり、入っていいとも思ってなかったのですが、お参りしている女性がいることにも気がつきました(愚痴を聞いてもらってる?)。
入って左側へ進むと、おっと、ありました。
「秘密」という文字に心くすぐられます。
手を耳にあて、もうお話を聞く体勢なのがチャーミング。これは話が早い。
向かい合うだけで距離感が縮まるのを感じます。
特にグチもないので、「未来には漠然と不安がある」と伝えてきました。
横にお賽銭を入れるところがあり、聞き賃を投入することもできます。
これは相手がお地蔵さまだけに本当の気持ちを伝えられていいシステム。
言いたいことを口にだすことができてスッキリ。そして、何だかほっこりと時間を過ごすことができました。
ということで、感心してネットで情報をみていると、この桂芳院だけでなく、全国に「愚痴聞き地蔵尊」があることが分かりました。
わりと珍しい気がしていたのですが、その数はけっこう多いようす。
一体どれだけあるのか?なぜあちこちにあるのか?少し調べました。
②なぜ、全国に増えているのか?
愚痴聞き地蔵は、近年置かれるお地蔵さんであるため、愚痴聞き地蔵のあるお寺になぜ置きだしたのか?と質問するのが1番いいとは思うのですが、
各お寺のサイトなどをみると、やはり参詣者さんのために置かれているところが多いようです。
また、お寺から愚痴聞き地蔵の注文を受けた石材会社さんのHPなども参考になりました。
「この施工について」
永代供養墓の戒名追加彫りを頼まれるお寺さんより愚痴聞き地蔵が作りたいと依頼が有りました。
今回は予算の都合上、中国で作成しました。
誰にお願いしても同じだとは思いますが、作家さんによって形が違います。
ですので、今回は粘土で作ってもらいそれをもとにお寺さんと相談しながらイメージに近いものを造りあげ納品しました。
今回はお付き合いのあるお寺さんと言うこともあり400,000円以内に収まる金額で済みました。
推測ですが、やはり流行っているのでしょう。
境内に置く仏様にも流行りがあり、戦前の弘法大師や昭和に多い「水子地蔵」や大きな観音様などなど。
最初にこの「愚痴聞き地蔵」を置いたのはいったいどこのお寺か?
誰がこのキャッチーな地蔵を発案したのか?という最大の謎も、お寺を1つ1つあたっていけば判明するのかもしれませんが。
③各地の愚痴聞き地蔵尊の1部(他にもおそらくあり)
以下に愚痴聞き地蔵があるお寺をのせました。
◯塩澤寺「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」(山梨県甲府市湯村3-17-2)
岡山県新見市・本誓寺(ほんせいじ):仏像と石仏■愚痴聞き地蔵
大聖院さんは宮島の中にあるお寺で、地蔵ワールドというか、びっくりするほど多くの地蔵があり、その中の1つが愚痴聞き地蔵という感じ。
◯龍蔵寺(山口市吉敷1750)
最後に
ということで、名古屋の「愚痴聞き地蔵尊」から、仲間の地蔵カウンセラーが全国にも増えていることを確認しました。
そのライトな気安さから、これからも病み現代人のために増えていくのではないかな、と想像しています。
最後に、アマゾンでみつけた「お願い地蔵バンク」という商品。ネーミングは若干違うものの、みためは愚痴聞き地蔵にそっくり。
一家に1体、もうこれでいいかもと思いながら、
以上、『愚痴聞き地蔵尊がなぜか全国各地にある不思議』でした。ではまた!